出版社内容情報
人生の黄昏を希望に変える温もり溢れる一冊
女子中学生、40代独身女性、定年退職後の男性、認知症の男性、LGBT男性、妻と姑、老優……。人生十色、生きづらさを抱え、悩み傷つきながらもそれぞれが小さな希望を掬い取って行くさまを丁寧に描く感涙小説。
第一幕 ひろった光---同級生がいじめにより自殺。その事実に傷つきもがく少女が出逢う、隣部屋の老優。その奇妙な行動の果てには。
第二幕 金の水に泳ぐ---真面目に頑張って生きてきた40代独身女性。求職と婚活に戸惑いながら、人生を、自分を見つめ直して得た答えは。
第三幕 ゴールデンガールズ---定年後の男性。自分がかつてパワハラ、セクハラをしていた女性に偶然出逢うが……。痛快なラスト。
第四幕 なつかしい夕映え---老人の家を訪れる二人の若い男。その正体は一体?そして、珠玉の思い出とは。
第五幕 黄金色の名前---かつて女性の誰もが抱いていたつらさと葛藤を、女性ならではの目線で描ききる。
幕間 登場人物達が織りなす、出会いと絆。
終幕 ゴールド・ライト 老優の心に去来する悔恨に満ちた人生。そして戻らない深い愛。それでも生ききる強さ。
人生が、歳を重ねることが愛おしくなる作品です。
【編集担当からのおすすめ情報】
この小説は、昨年惜しまれながら解散した、さいたまゴールド・シアターから着想を得ました。とかくこの世は住みにくい。優しく真面目な人ほど生きづらい毎日。そんな誰しもが共感する登場人物達の思いや、古典演劇から引用した人生フレーズが心に刺さります。どこかにきっと、あなたが共感し、そして救われる言葉が、エピソードがあるはずです。そして、誰にでも訪れる「老い」や「死にゆくこと」。そこに想いをはせるきっかけにもなるはずです。老いることは悲しいことではない。どんな人生も、かけがえのないその人の人生。読後にはきっと、生きる勇気を与えてくれる、そんな一冊です。
内容説明
この世界の理不尽さに深く傷つく中学生、実直に堅実に生きてきたのに報われない中年女性、定年後の不安と不満が募る元サラリーマン、薄れゆく記憶の中を生きる老人、“家”を守りながら囚われてきた専業主婦、強い悔恨の念を抱えて念願の舞台に立つ老優…。中高年限定の劇団を取り巻く人々の人生を丁寧に掬い取る。
著者等紹介
白尾悠[シラオハルカ]
神奈川県生まれ、東京育ち。米国の大学を卒業後帰国し、現在はフリーの企画者/マーケター。第16回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞、読者賞をダブル受賞し、18年に受賞作を収録した『いまは、空しか見えない』(新潮社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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