出版社内容情報
『鴨川食堂』の次は、当館へお越しください
海野美咲が半年前から若女将をつとめる静岡県伊東市の旅館は、海が近いだけが取り柄で、サービス、施設ともにいまいち。お盆休みのピーク期でも満室にならない体たらくが続いていた。名女将だった母に、おんぶに抱っこだった父も兄も頼りにならない。それでも宿を一生懸命切り盛りする美咲に、不思議な出会いの数々が訪れる。
あなたの働く気持ちを後押しする“おもてなし”小説！
--お客さまはけっして神さまではありません。でも、ときどき神さまがお客さまになってお越しになることはあります。
【編集担当からのおすすめ情報】
新たな若おかみ、あらわる！
『鴨川食堂』著者が贈る、ハートフルストーリー！
柏井 壽［カシワイ ヒサシ］
著・文・その他
内容説明
温泉なし、設備古しの海辺のお宿は、経営難を乗り越えられるか？お客さまは、けっして神さまではありません。でも、ときどき神さまがお客さまになってお越しになることはあります―。ひよっこ若おかみに、世間の風は冷たい！
著者等紹介
柏井壽［カシワイヒサシ］
京都生まれの京都育ち。数多くのテレビや雑誌の京都特集で監修を務める（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
202
温泉なし、設備は古い、海が見えるだけが取り柄の海近旅館の経営再建の話。経営再建に向けて頑張ってる姿に、応援したくなる終わり方。再建に向けて頑張ってる姿が目に浮かび、どう再建するのだろうと、想像が膨らみますね。人によっては、全てが中途半端かなと思うかも。神様がお客様になってお越しにならず、神様が居候?になってやってきましたね。海近旅館の繁盛を祈りたいです。それから、伊勢海老の鬼殻焼きを食べてみたいな。もちろん、お寿司もね。自分が前向きに歩んでいきたいと思う物語でした。2020/01/04
machi☺︎︎゛
132
母親が亡くなったのを機に家族経営の旅館の女将をする事になった美咲。母親が亡くなってからやる気を無くしている父親と元々旅館経営を好んでいない兄と経営が傾いた海近旅館を立て直していく。「鴨川食堂」の作家さんだからどこか鴨川食堂の親子関係に似てて楽しく読めた。海近とあって新鮮な魚貝を使った料理も美味しそうだった。2020/11/15
みかん🍊
112
海が近いから海近旅館とはなんて安易は名前、景色がいいだけが取り柄の古い旅館、東京でのOL生活を終え亡き母がおかみをしていた故郷の旅館を父親と兄の三人で切り盛りする若女将美咲、このままではいかんと思うが突破口が見つからない中、神のお告げがあったと近くの神社にやって着た宮大工やフリーの腕利き料理人、作家などの訪れるお客さんとの交流が気付きをくれる、「お客さまはけっして神様ではありません。でもときどき神様がお客さまになって起こしになることはあります」読後感のよい爽やかな読みごごちの作品でした。2019/06/12
佐々陽太朗（K.Tsubota）
96
日本の個人経営の旅館が抱えている問題に焦点を当て、旅館の本来あるべき姿は何かを考えさせられた。。大手資本がその資本力と一般ウケするノウハウを武器に跳梁跋扈している現状を憂えるのは柏井氏だけではないだろう。旅の楽しみ方は人それぞれ、好みもいろいろ、好きに楽しめば良い。しかし、できればそこに見せかけではないホンモノを楽しめる中身が欲しい。旅館にせよ、食事にせよ、けっして贅沢でなくても見せかけでない真心のこもったサービスがあって欲しいものだ。その意味でこの物語は各地を旅して回ることを楽しみとする私の腑に落ちた。2018/12/06
ダミアン４号
82
「お客様は神さまでありません。でも、時々神さまになってお越しになる事はあります」主人公の亡母の言葉が印象的。大旅館でも名の通った老舗旅館でもない景観だけがウリの旅館…苦労ばかりで大変な毎日…でも宿泊客の中のちょっとした何かで助けられたり癒されたり…そうやって頑張ってきたんでしょう…その言葉通りのお客様…(夢のお告げを信じてやってきた)宮大工見習いの青年、和洋中何でもござれ(加えてイケメン)のサーファー板前…彼らの手助けで経営が傾きかけた旅館を少しずつ立て直していく…大海原を臨む部屋、海の幸か…魅力的(笑)2019/05/07
