世界の中心で、愛をさけぶ

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093860727
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「好きな人を亡くすことは、なぜ辛いのだろうか」??十数年前、高校時代に体験した恋人の死を巡って展開されるどこまでもピュアな物語世界。『ジャンプ』の佐藤正午氏推薦の清新な書き下ろし恋愛小説!

 主人公は朔太郎という名の、地方都市に住む高校2年生。物語は、アキという名の同級生の恋人の死から始まる。そして生前の彼女との思い出を回想するように、ふたりの出会い、放課後のデート、恋人の墓から遺骨の一部を盗んだ祖父の哀しくユニークな話、ふたりだけの無人島への旅、そして彼女の発病・入院、病院からの脱出、そして空港での彼女の死までのストーリーが語られ、その中で朔太郎は自分の「生」の充足が、彼女との出会いから始まっていたことに気づく。アキの死から十数年が経過した今も粉状になった彼女の遺骨の一部を小さな硝子瓶に持ち続けていた朔太郎は、新たな恋人とともにアキとの思い出が詰まった郷里を訪ねる。そして「アキの死」が残したものの大きさを感じながら、ふたりがかつて一緒にいた郷里の学校のグラウンドで静かに骨を撒いた??。

内容説明

十数年前。高校時代。恋人の死。「喪失感」から始まる魂の彷徨の物語。落ち葉の匂いのするファーストキスではじまり、死を予感させる無菌状態の中でのキスで終わる。

著者等紹介

片山恭一[カタヤマキョウイチ]
1959年愛媛県生まれ。福岡県在住。九州大学卒業後、1986年『気配』で『文学界』新人賞を受賞しデビュー。主な作品に『きみの知らないところで世界は動く』(新潮社刊)、『ジョン・レノンを信じるな』(角川書店刊)、近著に初のエッセー集『DNAに負けない心』(新潮OH!文庫)がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HIRO1970

151
⭐️⭐️⭐️片山さんは初挑戦でしたが、事前に思ってたのよりやられました。大分前に映画かドラマにもなって話題になっていたのは覚えていました。分量的には軽くサラッと読める本ですが、なかなか侮れない深い真理を若者目線で描き出す事に挑戦しており良作です。特に若い方々にオススメ出来るお話しだと思います。2015/07/04

128
恋愛小説ばっかり読んでいた時に読んだ本です。表紙の空の写真が美しいですよね。号泣とまではいかなかったですが最後アキが亡くなった後にサクのおじいさんがサクに言ったことばが泣けました。

パフちゃん@かのん変更

80
15年前一世を風靡した「セカチュー」絶対に読んだはずだし、朔ちゃんと言う名前も覚えていたのに、殆ど忘れていました。改めて読み、改めて感動しました。リクエストハガキの件が不吉で切ないけれど、そうか、そうだった。祖父の恋愛の話、アキの骨の話。そして10年後、そうだったか。うん、それでいいんだと思った。2016/03/17

おっとっとっ

78
あっという間に読み終わったこの本 内容はよくあるパターンなのに、何かいつもと雰囲気が違うのがまた良かったです👍 切ない恋愛系です。 2022/03/11

寛生

58
【図書館】確かに哲学的文芸書としては素晴しいし、ピュアな出来だと想う。僕がもう少し若ければ感動して泣きくずれることができたかもしれないが、歳を重ねてきたからなのか、プロットに、うーん、と唸る。前著で片山は自身の小説でも「死」への取り組みを認識し、20、30代の小説家は恋愛が描けなくなっているのではないか(276-7)と危惧しているが、死を持ち出すのであれば、もう少しコテコテとした愛と死を隣り合わせにして欲しい。しかし、死、不在、灰、死者、祈りと面白い数々のテーマはある。「灰」はデリダを想わせる。2015/12/09

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