内容説明
パリのヴォージュ広場の超高級ホテル「王妃の館」に集まった「光」と「影」のツアー客たち。涙と笑いの人生ツアー、ついに決着!
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で第16回吉川英治文学新人賞を、1997年『鉄道員』で第117回直木賞を、2000年『壬生義士伝』で第13回柴田錬三郎賞を受賞
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感想・レビュー
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Mumiu
56
光ツアーと闇ツアー。とにかくハデでキンキラキンでゴージャスな成金とドラキュラのごとく光を忌み嫌う黒ずくめの詐欺師。教師と教え子それぞれ夫婦。太陽王と月の妃。今この瞬間を過ごしているツアーと、ツアーの舞台となった「王妃の館」の物語。「降りてくる」と一種のトランス状態で書き上げる右京は浅田の願望か?対比が鮮やかでドタバタな喜劇はさながらボレロの如く終焉を迎える。踊り続けたみなさん、おつかれさまでした。2015/06/19
ともゆき
32
面白いですよー。強引だけど、ここまでいくと気持ちいいと思いました。好きです。2015/05/06
田中寛一
29
とんでもない事態になるんではないかと心配していたポジとネガのツアー。案の定ことごとくバレてしまったがなんと意外な方向に。苦悩を抱えて最後の旅でもあった人たちにも太陽の恵みか。いやいや自らが明るく生きようとした結果なんだろう。ヴェルサイユ宮殿や絶対王政で知られるルイ14世が建てた王妃の館へのツアーと作品内で描かれる大作家右京さんのプチ・ルイと14世の親子の情との物語とのギャップもあり、面白く読んだ。「どんなに苦しくても笑って生きろ」という元夜間高校の先生の言葉と太陽王が印象に残る。2015/05/19
東谷くまみ
26
再読。予定調和な展開、見事な大団円。そして溢れる人間讃歌。人によってはそんなバカな、とか悪ノリしすぎだろーとかあるかもしれないが、私は浅田さんの汗臭くて暑苦しくて、古くさくて押し付けがましいこんな作品が大好きだ。「生きてさえいれば必ずいい事がある」「一人一人が太陽となって光輝け」自衛官を経験した浅田さんの書く伝えたいことはとてもシンプル。精一杯生きろ、どんなことがあってもそれは人生の一部、頑張れ!と。日頃優しい話を好み癒しをもらっている私だが、この本には力強く手を引いてもらい前向きに進む勇気をもらった。2020/05/20
なにょう
22
フランスのルイ14世とその隠し子の関係は……憧れのシャトーに泊まる17人は……さすが、浅田さん。劇中劇であるルイ14世の話しも面白かった。騙された人たちはまた悩みを抱えた人たちでもあり、彼らが一発逆転とばかりに考えだしたことと言ったら?★フランスのパリの街の雰囲気なんかも味わえた。のになんで不必要に下品なところがあるんだろう。2017/08/31