内容説明
果てしなく人工物に覆われた「脳化社会」の現在、『死体』のもつ意味とは何か。そして、人と人との関わりが極限値をとる『殺人』を、文学はいかに描くのか。ガルシア=マルケスの銃殺、ギュンター・グラスの耳、中上健次の自殺、大江健三郎の強姦殺人…。東京大学医学部解剖学教室で10年の研究生活を送った著者が、内外10人の巨大作家を丁寧に読み込んで、まったく新しい視点を提示する。
目次
1 ウンベルト・エーコ
2 アゴタ・クリストフ
3 ミラン・クンデラ
4 ギュンター・グラス
5 G・ガルシア=マルケス
6 柳美里
7 中上健次
8 村上春樹
9 大江健三郎
10 村上龍