内容説明
魏王に仕えたいという思いを胸に、学問にはげんだ范雎は、諸国を遊説する道すがら、運命の女性に出会う。やがて斉に赴き襄王に会見した彼は、その行為が誤解を招き、思いがけない事件にまきこまれる。不運が裏返れば幸運になるのか?ときに秦軍は魏を攻めはじめた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sakap1173
28
秦の宰相、范雎の物語。「奇貨居くべし」にて呂不韋の敵役的な役回りだったが、本作ではイメージが違う。上巻はまだまだ世に出ることができていません。 下巻で一気に上り詰めるのか。 じっくり熟読したい作品です。さすが宮城谷作品。2021/03/25
Tanaka9999
5
この作者のことながら、世に出るまでを詳しく書いている。半分過ぎているがまだ仕官できていない。孟嘗君の時もそうだったが、商人がキーパーソンか。時代としてもこの時代は商人が活躍した時代かも(史記とかにも伝記が立てられていたような気がするし)主人公は法家の人物かと思ったが(法家を修めたようだが)そうでもないらしい。法家は結果的に秦を混乱の中で滅亡に導いた一因となったように感じることもあり好みでない。秦を勃興に導いたのも法家だろうが。主人公はあまりよく知らないので一応下巻も楽しみ。2020/01/14
りんふぁ
1
范雎がまだまだサナギって感じの上巻。たまにでてくる孟嘗君や白圭の名にニヤリ。孟嘗君が亡くなって二年過ぎくらいの時代が舞台。范雎はこれでもかってくらいツイテナイけど、その度に心の焔は熱くなってる。要所要所で范雎を支える女性が現れるのも面白い。どう化けるか下巻が楽しみ。2014/03/28
takehiro
1
いったいどうしてこれほどの苦難に耐えられるのか、と思うほどの過酷な半生。不遇の時に耐えながらもなぜか女性にもてる范雎。2012/03/18
ataka
1
「女はふしぎなものだな、女は人を男にするというより、男を人にしてくれる」「旅がよかったのだ。旅は人を大きくしてくれる」p.762011/04/07