リリアンと燃える双子の終わらない夏

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リリアンと燃える双子の終わらない夏

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  • サイズ 46判/ページ数 392p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087735208
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

リリアン28歳、人間嫌い。自己肯定感はかなり低め、将来への希望もない。
1995年、春の終わりに、そんなリリアンのもとに友人のマディソンから手紙が届く。おもしろい仕事があるので、彼女の暮らすお屋敷まで来てほしいという。それで、頼まれたのは10歳の双子のお世話係。なりゆきに任せて引き受けたけれどーー子供たちは興奮すると〈発火〉する特異体質だった!?

全米ベストセラー作家ケヴィン・ウィルソンが涙と笑いで〈リアル〉に描く、ほろ苦い愛情と友情の物語。

ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、USAトゥデイ紙、タイム誌、ピープル誌ほか、全米主要メディアが年間ベストブックに選出!


【著者略歴】
ケヴィン・ウィルソン
テネシー州スワニー生まれ。フロリダ大学美術学修士課程修了。デビュー作の第一短編集『Tunneling to the Center of the Earth』(2009)でシャーリイ・ジャクスン賞と全米図書館協会アレックス賞を受賞。2011年に発表した『The Family Fang』はジェイソン・ベイトマン監督、ニコール・キッドマン主演で映画化された。その他の作品に『Perfect Little World』(2017)、短編集『Baby

内容説明

リリアン28歳、人間嫌い。自己肯定感はかなり低め、将来への希望もない。そんな彼女が旧友から世話を頼まれた10歳の双子は、興奮すると“発火”する特異体質だった!?涙と笑いで“リアル”に描く、ほろ苦い愛情と友情の物語。

著者等紹介

ウィルソン,ケヴィン[ウィルソン,ケヴィン] [Wilson,Kevin]
テネシー州スワニー生まれ。フロリダ大学美術学修士課程修了。デビュー作の第一短編集『Tunneling to the Center of the Earth』(2009)でシャーリイ・ジャクスン賞と全米図書館協会アレックス賞を受賞。2011年に発表した『The Family Fang』はジェイソン・ベイトマン監督、ニコール・キッドマン主演で映画化された

芹澤恵[セリザワメグミ]
東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

130
「あんたたちはただの普通の子供なの、わかった?発火して身体が燃えることがあるけど、でも普通の子供なの」。そう言われて双子のベッシー&ローランドは嬉しかったと思う。だって本当に二人は普通の素直な子たちだったから。その内面をちゃーんと見ようとしない大人ばかりの中に現れたリリアン。彼女は利己的な社会にうんざり。だから双子の本当の気持ちに近づけられた。そして火を前にして人は無力だ。でも火はあらゆる理不尽な言動から護ってくれたのだと思う。「夏が終わるまで、あとどのぐらいある?」「たっぷりあるよ」、ふふっ快哉、爽快。2022/07/03

ちゃちゃ

126
燃える炎は、自分を守るための火。不安、動揺、興奮…心が激しく揺れ動いたとき、突如として発火する。特異体質であるが故に、親からも愛されず遠ざけられ、振り回されてきた双子と、ひと夏だけの約束で二人の世話をすることになったリリアン。彼女もまた、境遇に恵まれず孤独な心を抱えていた…。物語はリリアンのあけっぴろげで真っ直ぐなひとり語りで進み、双子への愛情と信頼に目覚めてゆく姿が描かれて心が熱くなる。守るべき大切なものの確かな手触りは、消えない小さな炎として心の中で燃え続ける。その温もりが余韻として残る作品だ。2022/09/28

アン

123
未来への希望を持てず屋根裏部屋で暮らすリリアン28歳。彼女は夫が上院議員の友人から双子の世話を頼まれますが、2人は興奮すると体温が上昇し発火する特殊な体質だと。リリアンの軽快な語り口により、不思議な双子と周囲の個性的な人物達とのひと夏が鮮やかに浮かび上がり終盤は思わぬ展開へ。理不尽な経験と抑圧、家族の繋がりや友情、信頼と居場所。人嫌いなリリアンが双子の「異端児っぷり」を受け入れ努力を重ね、絆を深める様がとてもいい。人生を切り拓き導いてくれるのは、諦めずに自分で見つけた仄かな温かい愛の炎かもしれないと。 2022/06/21

☆よいこ

92
人体自然発火現象を引き起こす10歳の双子姉弟の世話をするリリアンの話▽父親がおらず母親は奔放な田舎育ちのリリアンは不幸な人生から抜け出すために勉強し、奨学金を得てお嬢様学校に入学した。だけどルームメイトの身代わりで退学させられ屋根裏部屋で引きこもり生活者になっていた。元ルームメイトのマディソンに頼まれ、ワケありの双子の世話をする。ベッシーとローランドは興奮したり不安になると燃える。発熱発火し火の粉を撒き散らすが、本人たちはまるきり無事だった。リリアンは傷だらけになりながら2人と向き合う▽映像映えすると思う

がらくたどん

89
ご感想に惹かれて。自分の在り方についてごちゃごちゃ説明したり言い訳したりしなくても過ごせる場所を求めて闘う「私たち」の物語。上流女性像から外れても誰からも文句が出ないほどの力を得る事だったり、全て外れカードに見える運命にめちゃくちゃに飛び込む事だったり、「発火」しちゃう事だったり。闘い方は千差万別だが、マディソンもリリアンも「燃える双子」も「じろじろ見られず居られる場所」を求める孤独で頑固な異端児だ。リリアンの饒舌な内声とパワフルな行動が物語から「生きにくい人々」の物語にありがちな湿り気を吹き飛ばし爽快。2022/09/09

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