かたづの!

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  • サイズ B6判/ページ数 383p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087715705
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

江戸時代、“女性"という立場で、清心尼はいかにして有象無象の敵を前に生き抜いたのか。「武器を持たない戦い」を信条とした、世にも珍しい女大名の一代記。著者初の歴史小説にして新たな代表作。

内容説明

慶長五年(1600年)、角を一本しか持たない羚羊が、八戸南部氏20代当主である直政の妻・祢々と出会う。羚羊は彼女に惹かれ、両者は友情を育む。やがて羚羊は寿命で息を引き取ったものの意識は残り、祢々を手助けする一本の角―南部の秘宝・片角となる。平穏な生活を襲った、城主である夫と幼い嫡男の不審死。その影には、叔父である南部藩主・利直の謀略が絡んでいた―。次々と降りかかる困難に、彼女はいかにして立ち向かうのか。波瀾万丈の女大名一代記!

著者等紹介

中島京子[ナカジマキョウコ]
1964年東京都生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務、フリーライターを経て、2003年『FUTON』で作家デビュー。2010年『小さいおうち』で第一四三回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

497
中島京子が初めて挑んだ歴史小説。物語の舞台に選ばれたのは南部領の八戸と遠野。どこまで史実が踏まえられているのかは定かではないが、主人公の生涯の基本的な枠組みは史実に立脚しているのではないかと思われる。タイトルの片角の伝承はどうだろうか。これ自体が既にフィクションであるような気もするが。一人の女性が数奇な運命に翻弄されてはからずも送らねばならなかった波瀾万丈の物語。小説のスタイルもこれまでとは随分違っている。資料を鋭意収集し、十分な意気込みを持って書かれたのだろう。ただ、これが中島京子の本領を発揮⇒2022/04/09

yoshida

308
江戸時代初期、八戸を拠点とする根城南部氏の盛衰を描く歴史ファンタジー。夫と嫡男の急逝で祢々は根城南部氏の女当主となる。南部宗家から降りかかる難題に対し、武力によらず知恵で対抗し家名を存続させる。時代の背景として、徳川の治世になっていた事が大きいだろう。下手に御家騒動になれば取潰しの恐れあり。戦国の世と違い武力に物言わせることも出来ない。根城南部氏が存続した現実的な背景と思う。遠野物語にあるような河童を登場させたりという着想は素直に楽しめた。後半はやや冗長と感じてしまう。私は中島京子さんは現代物が好みかな。2018/10/18

starbro

261
2014「王様のブランチ」ブックアワード大賞受賞作ということもあり、期待して読みました。最初は歴史小説いや歴史ファンタジーという感じでしたが、河童や大蛇等々の登場もあり、これは中島京子版「遠野物語」なんだという結論に至りました。好き嫌いもあるとは思いますが、私は流石、直木賞作家の新境地の意欲作という評価で2014年のBEST10に早速追加(但し、派手さはないので決して上位ではありませんが・・・)いたします。2015/01/13

ナイスネイチャ

191
図書館本。実在した女大名の話だけでなく羚羊からの視点。かたづの→片角→一角獣なんですね。歴史小説なんですがかなり変わった雰囲気を醸し出した作品でした。2015/07/20

hiro

166
中島京子さん初の歴史小説は、実在した‘女大名’が主人公ということで、この本を読んでみることにした。戦国の世から江戸時代に変わった直後、まだ戦から遠ざかっていない時代なので、どんなに勇ましい女武者かと思っていた。しかし、この女大名清心尼は、八戸から遠野への国替えなど数々の南部藩主利直の策略に対しても、武力ではなく、戦うことを避けて見事に家を守っていく。この考え方は、十分今の世にも通じる。また遠野らしく河童、大蛇も登場し、語り手は、かもしかの一本角「かたづの」というファンタジー仕立ての歴史小説でもある。2016/02/20

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