内容説明
ベストセラーとなった北方謙三の『水滸伝』。その読本がついに文庫化。人物事典や年表といった貴重な資料をはじめ、著者のエッセイ、編集者からの手紙などレアな文章が満載。読めば北方水滸の全てが解るファン必携の一冊。文庫化にあたり、著者から読者へのメッセージや、司馬遼太郎賞受賞記念エッセイなど、さらに特別なコンテンツを追加。100ページ以上増補した完全版。
目次
水滸クロニクル
年表
漢詩+装画
人物事典
編集者からの手紙
九千五百枚を終えて
文庫版・特別増補の章(完結後、それから;いきなり場外乱闘が始まった。;そして、編集者は堕ちていく。)
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を受賞する。また、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞、06年『水滸伝』(全19巻)で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レアル
63
北方さんの『水滸伝』を書かれた際の御苦労、そして『楊令伝』への続く熱い想い等が書かれていて、19巻を達成した余韻をよりいっそう味わえた。人物辞典も懐かしく物語を振り返りながら読めたし、また次回いつかまた『水滸伝』を再読する際の参考になるだろうと思う。次は『楊令伝』。先は長い!と思いながらも、今は『水滸伝』読了の達成感に浸っていたい。2013/02/19
オカメルナ
47
全19巻を読み終えた達成感より寂寥感の方が優り、しばし茫然。余韻に浸りたくて復習も兼ねて読本を読んだ。なんと北方氏は9500枚もの原稿を全て手書きで書かれたそうだ。そして愛用の万年筆に黒旋風李逵と命名していたんだそうな。そんなエピーソドが楽しく、北方さんの漢達への思い入れの深さに驚き共感もした。年表を見て「ああ こうだったなぁ」なんて思い出しては涙。年表で泣くって・・・珍しいよねこんな人(私)。人物事典を読みまた涙・・・アホか私! 「編集者からの手紙」には笑ったりと物凄く堪能できた読本だった。2012/07/08
Kircheis
27
★★☆☆☆ あえて読む程のものではないかな。 でもファンなら読みたくなるよね!2018/03/30
MATHILDA&LEON
25
水滸伝のおさらい本。著者の、108人の人物に対する想いや考え方が、みっちり詰まっており、年表や人物事典が載っているので、改めてあの水滸伝という素敵な世界に浸れます。『かっこつけてて横柄なオヂサン』(もともとファンですが)と思っていたけど、なんて面白く、真面目な人なんだろう!と、これを読んで変わりました。北方さん、北方ファンの皆様、ごめんなさい。ちなみに、大沢在昌さん、吉川晃司さんなどなど、素敵な方々との対談もあり、貴重な一冊です。2014/04/22
さよちゃん
20
いろんな方の作品解説や作者との対談、人物辞典、年表など19巻の長い旅をゴールした人だけが楽しめる、おまけ本。「作者から読者へ」という、文庫化のときの月一メルマガの文章が、とても温かくて、失礼ながら驚きました。こんなに優しい文章が書ける人だから、素晴らしい作品を書けたのでしょう。北方さんには心からお礼を言いたいです。「水滸伝」を書いてくださって、本当にありがとうございました。2012/11/25