出版社内容情報
野口 卓[ノグチ タク]
著・文・その他
内容説明
噂はもう聞いたかい?そう、宮戸屋の倅、信吾のことよ。老舗の跡継ぎを弟に譲り、弱冠二十歳で独立。よろず相談屋と将棋会所を始めたって、まったくなんてやつだ。将棋会所はかなり賑わっている様子じゃないか。肝心の相談屋のほうは?―巷で話題のよろず相談屋。今回はまさかの相談ごとが舞い込みます!読み味軽快、読んで爽快!時代小説に新風をもたらすシリーズ、待望の第2巻が登場。
著者等紹介
野口卓[ノグチタク]
1944年徳島県生まれ。立命館大学文学部中退。93年、一人芝居「風の民」で第三回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
104
シリーズ第2作。相談屋と将棋会所を営む信吾。相談屋と将棋会所のエピソードが交互に。動物の言葉を理解できる特殊能力を活かした「鬼の目にも」と将棋会所に集まる少年少女を描いた「夢のままには」がよかった。 2019/08/10
海猫
89
第2弾。前作より独特の奇妙さが強くなって、楽しめた。4編収録だが各話趣向が違って、バラエティーに富んでいる。最初の「命あっての」は、陰謀が絡んで信吾が鎖双棍で立ち回りをしたり、普通の時代小説っぽい。「話して楽し」は将棋会所の常連たちが間男とはなんぞや?と議論する。会話が落語っぽい。「鬼に目にも」犬になった幇間を助ける話で、妙に可笑しい上に人情味がある。「夢のままには」将棋会所に少女がやってきたことで、周りが変化していく。それぞれにお話がユーモラスで、不思議な読後感に包まれる。追ってシリーズを読んでいこう。2021/06/24
mocha
80
「命あっての」奇妙な武家の依頼。ようやく鎖双棍の見せ場?回りくどい話だ。「話して楽し」間男と美人局の話題で盛り上がる将棋会所。ちょっとしつこくて好きになれない。「鬼の目にも」動物と話せる能力を発揮する人情話。ソフトバンクお父さん犬が頭から離れない。「夢のままには」常吉がめざましく成長。今作の中では一番よかった。〈記憶が抜け落ちる〉という設定はいまだに活かされないのだけど、必要なのかな?2020/07/26
真理そら
42
シリーズ2作目。相変わらずよろず相談屋は閑古鳥が鳴いているが将棋会所は軌道に乗ってきた。「命あっての」の若殿はいいキャラなのでまた登場して欲しい気がする。この依頼で信吾の懐はかなり温まった。「話して楽し」は間男や美人局について勉強になった。「夢のままには」でハツが登場してから、ぼやっとしていた常吉が一気に成長するし、信吾も成長して将棋会所の雰囲気が変化してきた、次巻が楽しみだ。2019/05/09
らび
35
気が付いたら白い犬になっていた・・どこかのCMのパクリか?そんなことはないでしょうが、妻と娘への想いが素直に伝わります。ペー助との出会いからサクラであってもボチボチ本業のよろず相談も認知されてきそうだし、おハツちゃんのおかげで将棋会所も子どもからお年寄りまで集う場所となり「駒形」も軌道に乗ってきました。やる気のない常吉が短期間に随分と成長が見え、信吾の片腕になっていくのか楽しみです。2019/08/27