集英社新書
シェイクスピアの墓を暴く女

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087201628
  • NDC分類 932
  • Cコード C0298

内容説明

シェイクスピアはフランシス・ベイコンの仮の姿!そう深く信じた十九世紀アメリカの女性研究者ディーリアは、長大な自筆原稿を携え、イギリスへと海を渡った。彼女の説を証明するために暴かれなければならないのは、無気味な墓碑銘「わが骨を動かす者に呪いあれ」の刻まれたシェイクスピアの墓―。実在の女性の数奇な生涯と、カーライル、エマソン、ホーソーンといった文人たちとの交友関係を追いながら、「シェイクスピア狂熱」の呪縛と、それからの解放の人間ドラマを描く。

目次

第1章 「わが骨を動かす者に呪いあれ」(ホーリー・トリニティ教会;シェイクスピアの墓碑銘 ほか)
第2章 二人のベイコン―ディーリアとフランシス(ディーリアの父;ディーリアの兄 ほか)
第3章 ベイコン説、海を渡る(コンコードの賢者;人生の並木路 ほか)
第4章 『シェイクスピア戯曲の哲学の解明』(朗報;『パトナムズ・マンスリー』一八五六年一月号 ほか)
第5章 ディーリア・ベイコンの傷ましい死(反ストラットフォード派さまざま;マーク・トウェイン ほか)

著者等紹介

大場建治[オオバケンジ]
1931年新潟県生まれ。英文学者、演劇評論家。明治学院大学大学院英文学専攻修了。同大学文学部教授、学長を経て、名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AR読書記録

3
事実は小説より奇なり。ホーソーンやストウ夫人等、文学史に堂々たる名を残した人びとにも関わる人脈のなかで、ある意味異彩を放って名を記録にとどめることになる一人の女性の姿。ただ、ディーリアだけを追っていたら、下手すると痛いメンヘラさんの観察記録みたいになりそうなところ、シェイクスピアの“実像”を巡る混沌(今だってシェイクスピア=ベイコン説とか“シェイクスピアの暗号”とか、巷間ではその命脈を絶たれたとはいえないんじゃないかと思われ)も俯瞰し、またシェイクスピア同時代の状況も押さえと、質の高い読み物になっている。2015/02/16

あくび虫

2
センセーショナルなタイトルに惹かれて手を取った訳ですが、中身は意外に手堅い。全体的にあと一押しで小説、という風味があります。――学説のあれこれになぞ全く興味はないのですが、それだけ喧々諤々の論争が巻き起こる、という事実には感心します。「作者の死」という考え方が物凄く人を食ってて最高。――ディーリア・ベイコンは、著者の口ぶりほど不幸ではなく、本人にすればある種の幸福でさえあったように思えます。2018/10/16

viola

2
タイトルの示す女とは、シェイクスピア別人説について述べられたものには必ず登場するディーリア・ベーコン。フランシス・ベーコンがシェイクスピアである!と主張した人です。もはやここまで来ると、狂気・・?ちょっと異常ではないかと思ってしまいます。でもシュリーマンとかと同じような感じなのかな。個人的にはシェイクスピア別人説、特にベーコンのはばかばかしいと思ってしまっているのですけれど・・・。そもそもあまり興味がないので「ふーん」という感じでしたが、著者は著名なシェイクスピア研究者ですし興味のある方にはいいかも。2011/07/03

たくのみ

0
7人のシェークスピアの副読本として読んでみました。ストラットフォードがシェイクスピア祭などでもあがっているのに、あれは別人とみなす「反ストラットフォード派」。その極端な例が、フランシスベーコン=シェークスピア説に文字通り命かけてしまった女性、ディーリア。ミステリーっぽい語り口が興味をそそり一気に読めました。「八百屋お七」になぞらえるところもすごい。2012/09/02

gkmond

0
タイトルとのかみ合わせが悪かったのか散漫な印象しか残らなかった。実体はシェイクスピア別人説の流れ概説みたいなもの。200ページしかないのに詰め込みすぎて読みどころがなくなってしまった感じ。しかし、取り上げた中心人物にこれだけ蔑視感情隠さない本ってのも珍しいな。 あと、時節柄か、平和な陰謀論だなあって感じもした。2022/08/07

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