内容説明
その日、ガディルは、古くて大きな柱時計の修理をしていた。しかし、マルーシュは振り返りもしない。マゼンタとピーコックにもらった蘭の鉢植を持ち、つぼみが開く瞬間を見ようと目を離さないのだ。マルーシュは床の上にねそべり、つぼみをじぃっと見つめる。いつ開いてもおかしくないつぼみだったが、マルーシュの期待を裏切り続けている。そして、第一の試練が始まろうとしていた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆり
6
これまでのお話の総集編のような、短編集。詩のような頁も多くてこれまでの巻の中でも一番不思議なお話でした。言葉がとてもきれいで優しい。マルーシュとガディル、ヴィシュバ・ノールのこと、何もかも謎のままなので、いつか何かで読めると嬉しいなあ。マルーシュの微笑む音と花のつぼみがひらく音、ロマンティック。最後の手紙は、ターユなのかなあ。2018/09/21
あやつぎ
3
ある意味衝撃の終わり方。ここから,いつものように話が始まってもおかしくないのですが……。中身は,いつものようにほっこりと心温まる短編集でした。やっぱりマルーシュもガディルも謎のまま。さりげなく闇影に対していじめっこ(笑)なガディルも読みたかったです。続編希望。2017/06/24
すばる
2
今でもこの作者さんの新作が読みたいです。2009/02/07
ろびん
1
★★★★★作者の復活を望む!続きが読みたい。
felis
0
1996年11月頃に読了 お薦めシリーズ12冊目