内容説明
未知なる物語。土と空と人がきらめく躍動の文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
66
ほかの世界文学全集にはない作品が入っているので読んでみました。中国、アジア、アフリカの作家の作品ということでなじみの作家ですと、魯迅なども入っています。「夷狄を待ちながら」、「マルクディに来た虎」などの作品は従来読んできた欧米作家とは異なり、土俗的な香りのする作品でした。2015/08/27
風に吹かれて
14
巴金の、前世代の姑と現代的な嫁、そして病身の息子であり夫、この三人の、日々の生活さえ惨めな環境のなかでの情と葛藤を描く濃厚なリアリズムの『寒い夜』、一方、茅盾の、共産主義運動が盛り上がっていく中で、ストライキを打つ労働者と経営陣の闘い、投資家の思惑、都市の発展と地方の衰退など時代の流動を描く『子夜』と、中国文学の巾を認識させられた。 魯迅の作は、正直なところ理解できず。真に書きたいことを奥に秘めつつ理解を求めるような慎みを感じた。➡ 2020/03/23
yuki
4
アラブ文学の岡真理さんに導かれてイドリースの「黒い警官」を読みました。人間はここまで恐ろしくなれるということに戦慄をおぼえました。2019/04/27
Yasunori Hosokawa
2
茅盾『子夜』読了。 1930年5月から7月の間の上海を舞台にして、当時の中国の裕福な実業家である主人公が没落していく姿を描く。20世紀小説にありがちな文芸手法を駆使するといった類のものではなく普通の時代小説で、多分ヨーロッパだと19世紀文芸に入ると思ったのですが、実際に著者はバルザックとか影響受けててなるほどな、という印象でした。 少し昔の中国の小説というと途上国イメージが強かったのですが、これは全くモダンな感じで意外でした。面白かったです。2022/12/04