出版社内容情報
相沢 沙呼[アイザワ サコ]
著・文・その他
内容説明
嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とは―。ミステリランキング5冠『medium霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!
著者等紹介
相沢沙呼[アイザワサコ]
1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。城塚翡翠シリーズは累計50万部を突破。シリーズ1作目『medium霊媒探偵城塚翡翠』は、第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
569
収録2中編とも倒叙ミステリの基本スタイルをきちんと踏み、微細な手掛かりから真相にたどり着く鮮やかさは相変わらずお見事。犯人を翻弄する城塚翡翠のあざとかわいさも健在で満足な出来栄えだが、前2作に比べ今ひとつ不完全燃焼気味。翡翠のキャラが読者に知られていて、ここはこういう反応を示すなとか、こんな風に話すなと何となく予想がついてしまう。無論、著者も承知しているのでどんでん返しを仕掛けるなど工夫を凝らすが、期待値が高いだけに物足りなく感じるのだ。もっと強烈で劇的で意想外な謎をと求められ続けたらどうなるのだろうか。2022/10/07
starbro
555
相沢 沙呼、4作目です。シリーズ第三弾は、中編1作+長編1作でした。オススメは、表題作『覗き窓の死角』、少し飽きてきましたが、シリーズはまだまだ続きそうです。「ノイシュヴァンシュタイン城の城に宝塚歌劇団の塚で、城塚です。(笑)」 https://welle.jp/works/invert%E2%85%B1-%E8%A6%97%E3%81%8D%E7%AA%93%E3%81%AE%E6%AD%BB%E8%A7%92/2022/10/25
bunmei
522
男ならだれもが振り向くほどの可憐さで、あざとさまでも身に着けた探偵・城塚翡翠が主人公のシリーズ第3弾。相変わらず、ナルシストで、自分中心に世の中は動いているような翡翠の振舞だが、事件現場や容疑者の態度から、真相を読み解く推理は超一流。そこに、助手である知和崎真とのコミカルな絡みが加わり、楽しく読み進められる謎解きミステリー。今回は、友人宅に不法侵入した中学生の男子が殺人事件に巻き込まれる『生者の言伝』と、女流写真家が、翡翠自身をアリバイ証人にして殺人事件を企てた『覗き窓の死角』の2編がおさめられている。 2022/09/26
青乃108号
514
城塚翡翠シリーズ3作目。小説誌に既出の話と書きおろしの話、合わせて2話収録。前者は同人誌の二次創作ですかと疑ってしまうほどのつまらない出来でオマケ程度の扱いかと。後者も期待薄で読んだけど、これが意外と良かった。翡翠シリーズは彼女の【天然だけど実は凄い】というキャラクターに大きく依存して成り立っていると思うが、3作目にして彼女の生い立ちについて初めて触れる事で物語に厚みを持たせる事に成功している。心を揺らしてくる。前作は【ファンブック】と切り捨ててしまったけれど、今作は良かったです2022/11/08
うっちー
415
読んでいて何となく刑事コロンボを思い出しました。読み応えは相変わらずでした2022/10/19