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出版社内容情報
唐戸 俊一郎[カラト シュンイチロウ]
著・文・その他
内容説明
水から地球の歴史が見える!地球は「水の惑星」と呼ぶにふさわしい天体だ。しかし、地球の水の「起源・分布・循環」という三つの謎は、大きな未解決問題として残されている。本書は、水がこの惑星にどんな影響を与えてきたかの謎に、地球誕生からプレートテクトニクスまで、さまざまな角度で迫る。「水」は、地球史をいかに語るのだろうか?地球科学を俯瞰する、最良の入門書。
目次
序章 ユニークな惑星、地球
第1章 地球についてのABC
第2章 惑星の水はどこから来たのか
第3章 水が地球の性質を変える
第4章 マグマの海と地球の水
第5章 水は地球内部をどう循環しているか
第6章 地球、月、惑星の水
第7章 水惑星に残された謎
第8章 地球惑星科学を学びたい人のために
著者等紹介
唐戸俊一郎[カラトシュンイチロウ]
1949年、福岡県生まれ。1968年、東京大学入学、1977年、東京大学理学博士。1989年、アメリカに移住。ミネソタ大学教授を経て、現在イェール大学教授。地球惑星物質の研究を通して地球や惑星の起源やダイナミクスを理解することを目指し、ミクロとマクロを結ぶ学際的な研究を続けている。日本学士院賞、ラブ・メダル(ヨーロッパ地球科学連合)、レーマン・メダル(アメリカ地球物理学連合)などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
31
水の惑星・地球についての最新の研究成果が(理科系乃至理科好きの)高校生レベルの知識があれば理解できるよう、数式を用いず解き明かしてくれている。 分かってきたかなりの知識と、解明を待っている課題も併せ、丁寧に説いてくれていることに(文科系の大学に進んだ)小生は好感を抱いた。 地球は水の惑星と言いつつ、水(水分)の大半は海水であり、真水は実は乏しい、なんて俗説くらいは小生も持っていたが、実は、地殻の下に広がるマントル層や核の部分にも水が少なくとも海水に匹敵する量の水が(数倍とも)含まれるという。2018/02/10
月をみるもの
17
地球の水の主なリザーバーが海なのか、それともマントルなのか? 表面の水は、今後増えるのか減るのか? そういう基本的な問題を考える上で重要な(論文だったら100本くらいに相当する)情報がコンパクトにまとまってるので、院生とかが最初に読むと見通しがよくなるかも。2019/02/21
maqiso
5
地球は形成初期から水があったと考えられるため、スノーラインの内側でも水ができた可能性がある。深部が高温で柔らかく表面が少し固いとプレートテクトニクスによって惑星全体で物質が循環する。中央海嶺に上昇してきたマントルが表面付近で固化すると水が解放され、逆に水を含んだ海洋プレートが沈み込むとマントルに水が戻る。岩石は融けると水を含みやすくなり、水の量が融点に影響するため、マントルの遷移層には水が多く溜まる。地球の中心部から来た物質が少数あるが、地球全体を知るには地球物理学的な手法も必要になる。2023/11/04
石油監査人
4
最新の研究によると、地球の内部には、海水の数倍の量の水が存在することが分かってきた。さらに、この地球内部の水は、海との間で循環し、プレートの移動にも関わっていることが、徐々に明らかになってきた。この本は、水との関りを糸口に、最新の地球惑星科学の成果と研究動向を分かり易く説明した良書と言える。2019/04/01
ニョンブーチョッパー
3
★★★☆☆ 生命の誕生以外にも、プレートテクトニクスも地球でしか観られない減少なのだとは知らなかった。2021/07/01