出版社内容情報
5歳の誕生日をむかえたジャック。いつもママと一緒で幸せなジャック。でも彼の世界は、その「部屋」の「中」だけだったのです――。今日はジャックの5歳の誕生日。
ジャックはママと「部屋」に住んでいます。鍵付きのドアに天窓のある部屋。
ママとシリアルを100こ数えて牛乳をどぼどぼかける朝ごはん。
ママといっしょに見るアニメ(ドーラ大好き!)。
ママに読んでもらう『ぼくにげちゃうよ』(自分でだって読めるけど)。
ママが教えてくれる字のおけいこ。
ジャックは幸せです。だって、ここにママがいるから。
「オールドニック」に見つかりさえしなければ。
そして、この部屋だけが「世界のほんと」だと思っています。
いや、そう思っていました――ママが外の世界があることを教えてくれるまでは。
誘拐され、監禁された少女に、子供ができてしまったら……。
極限状況を生き抜こうとする人間の勇気と気高さ。
「部屋の中」の天真爛漫なジャックの声が、切なく聞こえてきます。
エマ・ドナヒュー[エマ ドナヒュー]
著・文・その他
土屋 京子[ツチヤ キョウコ]
翻訳
内容説明
五歳になったジャックはママと「部屋」に住んでいる。いつも必ず、ママが一緒だ。ジャックにとって、この部屋だけが「世界のほんと」だった―七年前に誘拐され、監禁された少女は、監禁されたまま子を産んだ。母は必死に子を育てる。人の尊厳と愛のために。極限状況を生き抜こうとする人間の勇気と気高さを描く物語。
著者等紹介
ドナヒュー,エマ[ドナヒュー,エマ] [Donoghue,Emma]
1969年アイルランド生まれ。カナダのロンドン在住。ダブリン大学とケンブリッジ大学の博士課程修了。’94年に小説家デビュー、ラムダ賞の最終候補となる。’95年に発表した“Hood”、2000年に発表した“Slammerkin”が、それぞれさまざまな賞の候補となる。’10年に刊行した『部屋』にてマン・ブッカー賞の最終候補となり、ロジャースライターズトラストフィクション賞を受賞
土屋京子[ツチヤキョウコ]
1956年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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