講談社文庫
部屋〈上〉インサイド

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  • サイズ 文庫判/ページ数 305p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062777391
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

5歳の誕生日をむかえたジャック。いつもママと一緒で幸せなジャック。でも彼の世界は、その「部屋」の「中」だけだったのです――。今日はジャックの5歳の誕生日。
ジャックはママと「部屋」に住んでいます。鍵付きのドアに天窓のある部屋。

ママとシリアルを100こ数えて牛乳をどぼどぼかける朝ごはん。
ママといっしょに見るアニメ(ドーラ大好き!)。
ママに読んでもらう『ぼくにげちゃうよ』(自分でだって読めるけど)。
ママが教えてくれる字のおけいこ。
ジャックは幸せです。だって、ここにママがいるから。
「オールドニック」に見つかりさえしなければ。
そして、この部屋だけが「世界のほんと」だと思っています。
いや、そう思っていました――ママが外の世界があることを教えてくれるまでは。

誘拐され、監禁された少女に、子供ができてしまったら……。
極限状況を生き抜こうとする人間の勇気と気高さ。
「部屋の中」の天真爛漫なジャックの声が、切なく聞こえてきます。

エマ・ドナヒュー[エマ ドナヒュー]
著・文・その他

土屋 京子[ツチヤ キョウコ]
翻訳

内容説明

五歳になったジャックはママと「部屋」に住んでいる。いつも必ず、ママが一緒だ。ジャックにとって、この部屋だけが「世界のほんと」だった―七年前に誘拐され、監禁された少女は、監禁されたまま子を産んだ。母は必死に子を育てる。人の尊厳と愛のために。極限状況を生き抜こうとする人間の勇気と気高さを描く物語。

著者等紹介

ドナヒュー,エマ[ドナヒュー,エマ] [Donoghue,Emma]
1969年アイルランド生まれ。カナダのロンドン在住。ダブリン大学とケンブリッジ大学の博士課程修了。’94年に小説家デビュー、ラムダ賞の最終候補となる。’95年に発表した“Hood”、2000年に発表した“Slammerkin”が、それぞれさまざまな賞の候補となる。’10年に刊行した『部屋』にてマン・ブッカー賞の最終候補となり、ロジャースライターズトラストフィクション賞を受賞

土屋京子[ツチヤキョウコ]
1956年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんやん

31
秀逸な設定(母と子が部屋の中で過ごす)とユニークなナラティブ(五歳になったばかりの息子の視点で語られる)、そして鮮やかな展開。狭い部屋が二人の世界で、遊びや勉強で毎日が楽しく過ぎてゆくが、母はずっと嘘をつき続けてきた…。築き上げてきた世界の崩壊を前に、動揺しつつ世界を学び直そうとする息子。ちょっと涙なしに読めない。数年前に映画を観て、ずっと気になっていた原作。結末を知っているはずなのに、手に汗握る。2022/01/20

27
とても面白かったです。5歳のジャックが主人公で、ジャックの視点で彼とママの《へや》での生活が語られます。監禁されている中で子どもを産み、育てているママの強さと愛の深さが素敵でした。《へや》の外にあるものを、それは《テレビ》でしょ?というジャックに衝撃を覚えます。第三章からの展開は手に汗を握りました。下巻も楽しみです。2016/01/23

なるみ(旧Narumi)

24
先日王様のブランチにて本書を原作とした映画が紹介されていたのをきっかけに原作を借りてみました。一気に読ませてくれます。5歳の主人公ジャックの目線で語られていて、和訳も私が永らく苦手な和訳らしい日本語の使い方ではなく、ジャックらしさが読み手にもわかるような和訳でひきこまれました。下巻へGO!2016/01/30

アズマ

23
文庫版で再読です。子供目線で部屋が当たり前として語られている所が余計に辛く感じました。2019/12/04

メルル

23
ジャックは「部屋」で五歳の誕生日をママと祝った。二人の不思議な生活から何が起きているのか少しずつ理解できる。ジャックのあどけなさとママの緊張感。ラストは祈るような気持ちで読んでいた。ママが小さな我が子に託さなければならなかったギリギリの精神状態を思うと本当に辛かった。下巻へ。2019/04/04

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