講談社文庫
日暮らし〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062762052
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「ねぇ叔父上、ここはひとつ、白紙に戻してみてはいかがでしょう」。元鉄瓶長屋差配人の久兵衛からもたらされた築地の大店。湊屋が長い間抱えてきた「ある事情」。葵を殺した本当の下手人は誰なのか。過去の嘘や隠し事のめくらましの中で、弓之助の推理が冴える。進化する“宮部ワールド”衝撃の結末へ。

著者等紹介

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年東京都生まれ。’87年『我らが隣人の犯罪』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。’89年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞。’92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、’93年『火車』で山本周五郎賞、’99年『理由』で直木賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

166
捕物帖だから、推理小説だと分かる。江戸の商家の苦悩。結末で出てくる母殺し。目出度い話もあり、未解決の話もある。香りのついた煙草の話が、やや不完全燃焼な気もする。平四郎と甥の弓之助の息の合ったところがすごい。続きを読みたい。この話の前「ぼんくら」があることを知り、そちらを先に読もうか。2014/11/23

jam

101
明治生まれの祖父は幼い頃、両親の離縁により生母と別れた。継母は厳しい人だったという。死の間際、祖父は時代劇の三文芝居の母子を見て泣いていた。人は母を求める。虐げられても拒まれても、愛が憎しみに変るほどに。そして、愛を知らない器は、満たされることを知らない。この物語の端緒はそこなのだろう。時に妖や人情を使い、殺め、産む。やがて解かれた心は「満たす」を知る。赦すとは自らを解くことなのだと、物語は説く。日暮らし、いかに時代が移ろうと、心の在りようは変わらない。祖父は、天国で恋しい母に会えたのだろうか。2019/02/01

美登利

100
本当にこのシリーズは時代小説の良いとこ取りだと思い感激しました。長屋で煮売屋をやっていたお節介なお徳が段々と腕を磨き、仕出し屋をやれるまでになるところなんて歳を取っても女でも男でも成長できるんだなと私の励みにもなるようで。もちろん同心の平四郎を取り巻く他の者たちだけの成長ではなく、平四郎の考え方、仕事の仕方も随分と周りの助けもあり良い方へと変わっていく。謎解きに人情が絡んで、皆がそれぞれに悩み解決へ向かっていく様がワクワクするし最後は完璧にスッキリとはしないのだけど、それが当たり前なんだよねと思うのです。2017/05/14

tengen

100
葵を殺した犯人は誰か、湊屋に隠された秘密とは、弓之助の推理が冴えわたります。 長かった割に「ぼんくら」より感動少なかった。 しかし、多くの人が収まってこれで良しという感じでしょうか。2013/05/11

よむよむ

85
《再読》弓之助、冴えすぎ~ でもかわいいから許す(?)あの幻術一座がどうしても京極さんの巷説シリーズを感じさせるんだな。貞洲さん最高!まさかの犯人で、総右衛門がのうのうとしているのが気に入らないけど、まあ仕方がない。この続きを早く書いてください!宮部さん!2011/07/24

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