中国思想と宗教の奔流―宋朝

中国思想と宗教の奔流―宋朝

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  • サイズ B6判/ページ数 406p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062740579
  • NDC分類 222.01
  • Cコード C0322

出版社内容情報

中国伝統文化の型を作り上げた変動と改革の時代
士大夫の精神、朱子学の形成

大唐帝国を揺るがせた安史の乱から200年、五代乱離のあとを承けて宋朝建国。文治主義をとったことの功罪は、いかなるものだったか。北方の異民族王朝に対し絶えず軍事的劣勢にありながらも、後世まで規範となる政治・社会・経済システムを作り上げ、文化の華がひときわ咲き誇った宋朝300年の歴史を通観する。

小島 毅[コジマ ツヨシ]
著・文・その他

内容説明

大唐帝国を揺るがせた安史の乱から二〇〇年、五代乱離のあとを承けて宋朝建国。文治主義をとったことの功罪は、いかなるものだったか。北方の異民族王朝に対し絶えず軍事的劣勢にありながらも、後世まで規範となる政治・社会・経済システムを作り上げ、文化の華がひときわ咲き誇った宋朝三〇〇年の歴史を通観する。

目次

第1章 宋朝の誕生
第2章 宮廷の運営
第3章 動乱の世紀
第4章 江南の安定
第5章 宗教の土着化
第6章 士大夫の精神
第7章 技術の革新
第8章 文化の新潮流
第9章 庶民の生活
第10章 中華の誇り

著者等紹介

小島毅[コジマツヨシ]
1962年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科助教授。専攻、儒教史、東アジアの王権理論。宋代を主要な研究対象としながら、儒教思想が果たした政治的・社会的役割を分析検討して、その世界史的意義を考察し、また、日本における儒教の正負両面の遺産について現代的関心からの解明を進めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

16
本書、以前読んだときは中国思想の本だと思っていたし、「はじめに」にも「宋代の思想文化に焦点を合わせた記述」をしているとある。現代では宗教や哲学という言葉で語られるが、これは勿論西洋的な概念で、「理」など当時の言葉で整理し直しており、興味深い。ただ、やはり講談社の中国の歴史らしく、政治史や社会史に関してもバランスよく配置されている。東京夢華録の描き出す開封の反映、日本人が見た宋など、思想文化以外の面もなかなかにテンションが高く、面白い描写であった。2020/05/12

MUNEKAZ

8
思想・文化史を中心に据えた宋代の概説書。軍事的に軟弱なイメージの強い宋も、士大夫層の興隆、朱子学の誕生など精神面に限れば大唐時代にも勝るとも劣らない影響を持つことを再確認。日本で言うなら室町幕府のように、体制の脆弱さと内面の革新性を併せ持つ面白い時代だと思わされる。また日本史の人物や刊行当時の世相に例えた描写など、とっつきずらいテーマを軽妙に表す語り口が面白いのだが、著者のバイアスもきついので気になる人もいるかも。2019/06/02

小鈴

8
たぶんこの本を読まれた方は、このシリーズを通しで読んでいる方で中国史への関心が深い方だろう。私は小島毅氏の本ということ、宋時代に関心をもち七巻から読み始めましたが、結構普通に読めました。歴史を詳述したというよりも、宋時代の精神や文化に触れていたからかも。但し、駈け足でまとめている5章までの歴史の流れは、中国史に不馴れな私には、まず人の名前が覚えられなくて、なかなか読み進められなかった(笑)。文化に興味があれば6章から読み始めてもよいでしょう。2012/05/19

hal

4
唐代ほどの派手さはなく、元や明ほど直接日本史の表舞台に出てこない宋代。軍事的にも多分歴代王朝最弱で、どこか地味な印象があるが、文化的に日本が受けた影響は意外に大きい。行き過ぎた官僚制の問題や上層部の現実からの遊離の影響など、現代の日本への示唆にも事欠かない。話の展開が変に凝っていたり、突然やや専門的な用語が出てくるなど初学者向けには自分的には?だが、内容的には満足。2021/12/02

GEO(ジオ)

3
再読。漢のような剛健さや唐のようなきらびやかさこそなかったものの、中国の歴史上、燦然と輝く宋。風流天子・徽宗の作品などに見えるように茶の文化が発展し、また、政治の方面では王安石の新法による改革が吹き荒れ、経済ではいよいよ現在にいたるまで中国経済の中心地となる南部の臨海地域がめざましい発展をとげた時代でもある。そんな宋代を概観した良書。儒教は宗教か?なんて論議はこの時にはすでにあったのね。2015/05/16

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