講談社文庫<br> 黒い仏

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講談社文庫
黒い仏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062739368
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

九世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと、一つの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。無関係に見える二つの事柄の接点とは?日本シリーズに沸く福岡、その裏で跋扈する二つの力。複雑怪奇な事件の解を、名探偵・石動戯作は、導き出せるのか?賛否両論、前代未聞、超絶技巧の問題作。

著者等紹介

殊能将之[シュノウマサユキ]
1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

184
探偵小説を読んでいたはずなのに、全く別ジャンルの物語が同時進行し始め、ついには探偵小説を乗っ取ってしまうという、なるほどな問題作であった。自ら名探偵を名乗る石動戯作が、某大富豪から福岡の田舎に埋もれているであろう秘宝のありかを探すよう依頼を受けるが…これは人を選ぶ小説だな。俺はと言えば、こういう趣向は嫌いじゃない、と言うよりむしろ好き、な方なのだが趣向が判明した後半はすっかり興味を削がれしまいには流し読みになってしまった。何度も思わせ振りに登場する福岡ドームで開催中の日本シリーズは何の意味があったのか。2024/02/14

nobby

114
これは噂通り、いろいろな意味で凄い!そして壁投げ本の意味も分かる何でもありの反則本。自分は投げずに「ハァ!?」と大笑い。天台宗僧円載の秘宝探し、身元不明の殺人事件が絡んでいく展開、そして石動名探偵の登場。立派にミステリーで面白い。そしてきちんと推理もあってなんだけど、最後で何それ!いや、SFとの融合を試みた作品は数多いが、これほどどちらにあたるか区別しにくい作品はないのでは…そして最後2行の大風呂敷はもう笑うしかない(笑)2015/08/07

りゅう☆

108
糸島安蘭寺にある円載の秘宝を探して欲しいと依頼された石動。アントニオ助手と福岡へ。一方アパートで変死体発見。無関係のような二つが繋がっていく。安蘭寺住職星慧は真実を語ってる?瑠美子は誰の子を妊娠?夢求の目的は何?難しい漢詩はちっとも頭の中に入らなかったけど、真面目な小説と思いきや遊び心的な文章あり、本格推理小説と思いきやアントニオの特殊な力?石動の推理にへぇ~って思いきやナニこの展開?SF?なんとも中途半端な終わり方と思いきやシリーズものだったのね。名探偵らしいけど少し抜けてる感アリの石動って面白いかも?2021/04/01

のり

100
名探偵「石動」の元に宝探しの依頼が舞い込む。九世紀に唐から日本へ戻る途中に難破したが漂流物として浜に打ち上げられた物らしい。福岡県に助手の「アントニオ」と飛び、手がかりとなる安蘭寺で調査を始めるが、時を同じくし一件の殺人事件が…あまりにも突飛な展開に少々戸惑う。アントニオの意外な活躍と正体には興味がわくが、別に石動シリーズでこれをやらなくとも良かったのではないか。2019/03/20

buchipanda3

86
探偵石動シリーズ。なんとこれはと唖然となり、そして思わずにんまりとしてしまった作品。文章は洗練されたものでユーモラスさもあり読み易かった。石動の飄々とした雰囲気がいい感じ。マイペースで物事を進めて何事にも動じないんだろうなあと。そしてなるほどの推理を見せてくれた。あの結末を読んで最初は論理的にきれいに収束させることに対して皮肉ってるのかと思った。けれどこれは発想を柔軟に拡げたある種の試みなのだろうと思う、遊び心も含めて。オチがいいね。参考文献の分野の幅が広い。アントニオの由来とかネタが豊富で楽しく読めた。2019/07/05

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