講談社選書メチエ
『古今和歌集』の謎を解く

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581936
  • NDC分類 911.135
  • Cコード C0392

内容説明

『古今集』は「言葉遊び」と「ユーモア」の歌集だった。間違いだらけの「人麻呂」像の不思議。六歌仙でありながら一首しか存在しない喜撰法師の正体とは?一千余首に秘められた大いなる仕掛けを読み解き、国文学史上の謎に迫る。

目次

第1章 『古今集』の人麻呂
第2章 「おほきみつのくらゐ」
第3章 吉野の山の桜
第4章 言語遊戯書としての『古今集』
第5章 をかしの歌集
第6章 「赤人」の謎
第7章 女郎花と馬
第8章 六歌仙考
第9章 喜撰とはだれか
第10章 『古今集』の謎を解く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

16
いわゆる入門書の類の本ではなく、新説を開陳しますというたぐいの本。『古今集』は勅撰集(天皇の命令を受けている)だから紀貫之でもふざけたことは出来でないだろうと不信に思いながら読んでいたが、『古今集』の時代が仮名文字の変革期にあり、そこから言語遊戯的な和歌が広まって行ったというのは納得できるような。そもそも『土佐日記』を女と称して仮名文字で書いた人だし、そのぐらいはやったかもしれない。現在で言うと筒井康隆のような文学改革者だったのかもしれない。2024/01/06

俊介

15
古今和歌集という古典に紀貫之がほどこした「遊び」という着眼点は好きだったが、流石に著者の「謎解き」は無理があるのでは…と思ってしまった。でも確かに古典だからといって全部が全部真面目に書かれてるわけじゃないだろうし、軽い笑いのノリが好きな人だっていただろう。知らなかったけど紀貫之の笑いのセンスすごい。古今集序文での「六歌仙」に対する貫之の寸評も、称賛どころかボロクソ笑。おふざけ好きの毒舌家・紀貫之という一面が見えてきたようで、それは良かった。2020/06/19

tyfk

7
喜撰「わが庵は都の辰巳(たつみ)しかぞすむ世を宇治山と人はいふなり」の「た・つ・み」は「ただみね(忠岑)」「つらゆき(貫之)」「みつね(忠岑)」のイニシャルか?そもそも六歌仙のひとり喜撰ってだれよ。仮名序で評されるこれらの歌人の扱いが、いろいろへんちくりんで、謎があるあたりは面白い。2023/12/02

miyuki

1
5月10日より。とても新しい視点で古今集の謎を暗号的に解こうとしている本です。確かに、ユーモアの視点から語られるのはこの歌集においては大事ではあろうけれども、これはすこしやりすぎている感じもした。歌一首一首のユーモアというよりも、歌集全体のユーモアを優先してしまっているのが原因であろうか。推論が強引ではあるけれども、出典とか調査はしっかりしているので、ひとつの論としてはおもしろい。古今集の専門学術論とはかなり離れてしまっているかもしれないけれども。古今集の新たな面が指摘されてておもしろい本です。2015/05/28

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