講談社選書メチエ
関東軍

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581806
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0321

内容説明

大陸政策の尖兵、関東軍。彼らの「独走」の意味とは?満洲事変、張鼓峰事件、ノモンハン事件、そしてソ連の進攻。四十年にわたって満洲の野に繰り広げられた大日本帝国の思想と行動をたどり、「精強無比」「無敵七十万」を謳われた組織の興亡を、戦史に基づき克明に追う。

目次

第1章 満洲と日本
第2章 関東軍の誕生と日中関係
第3章 1931年9月18日―ドキュメント満洲事変1
第4章 満洲国の建国―ドキュメント満洲事変2
第5章 日ソ衝突
第6章 第二次世界大戦と関東軍

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

40
内容は細かいが、関東軍の通史としてまとまっている。まとめでは、陸軍の統帥権独立といった問題点が今日においても克服しきれていないと述べている。日露戦争後にできた駐箚軍が、米騒動時に関東軍となったそうだ。また、ノモンハン事件では現地隊長の自決強要が見られ、作戦課の服部卓四郎と辻政信の介入が問題となった。私は北鎮記念館で展示を見たが、戦死ないし自決した幹部のパネルが印象に残っている。やがて対ソ戦では根こそぎ動員の中奮戦するも、民間人の守りが手薄となり、残留孤児問題の原因となった。2022/10/10

ジュンジュン

10
独走を繰り返し、日本を破滅に追いやった軍国主義の権化、そのくせ、肝心のソ連侵攻に際しては全く役に立たず。これが僕の抱く関東軍のイメージ。著者はニュートラルな関東軍史に挑み、僕の偏向を正す…?前者(独走)に関しては、背景に国民全般の満蒙問題解決への期待があったとはいえ、暴走は決して許されない。ましてや、謀略を用いるなど。ただ、後者(役立たず)は、旧ソ連の公開資料に依った検証で、かなり印象が是正された。最後に一個だけ、けっこう読みづらい(笑)。2022/03/25

フンフン

6
1965年発行の島田俊彦の『関東軍』と重なる記述が多い。ソ連参戦後の記述はソ連崩壊後に明らかになった機密文書も参考にして詳しくなっている。「むすびに」で、「無意識下のなにものかが、横断的結合や下剋上の一因を生む土壌になったのではないか」というのは、なかなか鋭いが、それが何かを解明しなくては話にならない。その「無意識下のなにものか」とは、「法に従う」のではなく、「目上の人に盲目的に従う」日本の「国体」なのだ。2020/11/03

nonnomarukari(ノンノ〇(仮))

6
日本史の授業とか歴史小説では悪者扱いで暴走しっぱなしの組織であったと単純に描かれているが、この本では関東軍の暴走についてや組織について詳しく書かれている。後編満州を巡ってソ連が暗躍している事が描かれているが、戦争末期に不可侵条約を破ってシベリア抑留とかした事しか知らないのでそこら辺の描写は新鮮だった。2010/12/18

竜王五代の人

3
軍閥にもソ連軍にも兵力の数では常に劣り続けた関東軍、どうにも身の程知らずでありながら、謀略に手も出す。戦力が足らないなのは中央のせい、関東軍としては対ソ連の後背を安定させるため中国本土に手を出す、というのはひどい。こんな兵力しか満州に置けない時点で、日本はそこに手を出すことを止めるべきだったのだろうけど。2021/03/05

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