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内容説明
愛想笑い、苦笑い、せせら笑い、満足した笑い―人はどんな時に、どんな理由で、どんな笑い方をするのか。笑いのルーツからメカニズムまでを徹底解明する、本邦初の笑いの科学書。
目次
第1章 笑いのルーツ―動物の笑いと人間の笑い
第2章 いろいろな笑い―いつ、どこで、どうして笑うの?
第3章 笑いの解剖と生理―笑うと涙がでて、力が抜けるのはなぜ?
第4章 笑いの測定―つくり笑いを見やぶる
第5章 快と笑いの心理学―感情のソフトウエア
第6章 笑いと文化―感情を隠す道具としての笑い
第7章 特殊な笑い・病的な笑い―量の変化・質の変化
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
31
一口に笑いと言っても、様々な種類がある。快の笑いや緊張緩和の笑い(不随意的・視床下部と辺縁系由来)と社交の笑い(随意的・大脳新皮質由来)など。劣位のサルが優位のサルに見せる表情が、社交の笑いへと進化?その表情の進化的な起源は、嘔吐にある?笑いが生存競争で重要な役割を果たしていない?あんまり説得力もないような。著者が3人もいて、なんだかチグハグな内容。私見によれば、笑いは集団生活に欠かせないもの。笑顔はチャームポイントになるし、人を笑顔にさせる人は子孫を残せるだろうし、社会(会社)サバイブにも必要だろう。2022/12/04
Yuma Usui
20
「毒物を吐き出す動きが《笑い》に進化した」といった具合に、ヒトが笑いを獲得するに至る過程や笑いの種類などの研究内容を述べた一冊。サルにも「快の笑い」や「社交の笑い」に近いものがあり、ヒトが笑う理由を考えさせられた。また、笑いには「価値無化」の作用があり、笑いの多い場ほど新たな意見が出る(少ない場合は保守的)との考えは面白い。本書は94年発行と古く最新の笑いの研究を知りたいと思った。2018/10/20
jjm
12
笑う(笑顔)はもともとは危険への反射動作⇒劣位の表情⇒社交上の笑い。乳児がいわゆる笑顔を作るのは遺伝。笑うときに脳の信号や筋肉がどうなっているということがアカデミックに述べられている。旧日本軍では笑顔を見せるだけで殴られる、武士は三年に一回、片頬だけ笑うというのは秩序を守るため。エーコの「薔薇の名前」読んで、中世キリスト教の世界でも笑うことが不道徳とされていたんだよなぁということを思い出した。2021/01/12
ゲオルギオ・ハーン
4
笑いという感情表現を科学的に分析した一冊。「快の笑い」「社交上の笑い」「緊張緩和の笑い」の3つに分けて、それぞれの表情筋の動きや筋電図のデータも調べている。個人的には社交上の笑いの分析が面白いと思いました。というのも、笑顔の持続が短く、不自然なタイミングで途切れるという特徴はあまり気付かなかったからです。快い笑いはハッハッハであるのに社交上の笑いはヘッヘッへというのも面白い分析だなと思いました。2020/04/27
ゆき
2
サポメ本:出版年は古いのですが、笑いについて心理学、社会学、精神生理学から取り組んだ本。最後にまとめ~がないのでバツっと終わった感が否めないものの、笑いは生活に欠かせないなぁと改めて思った1冊。2014/08/23