竜は動かず―奥羽越列藩同盟顛末〈上〉万里波濤編

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062203630
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

幕末、鳥羽伏見の戦いで勢いに乗る新政府軍。奥州諸藩は「奥羽越列藩同盟」結成で対抗した。その間の幻の歴史を描く、長編歴史小説。仙台藩下級藩士の婿養子だった玉虫左太夫は妻との死別を機に、学問を究めるため江戸へ出奔した。江戸では、後に昌平坂学問所の長官となる林復斎の邸に潜り込むことに成功する。学問への志が認められ、左太夫は下男から若党にすぐに引き上げられた。また、仙台藩江戸藩邸で講義を行う儒学者・大槻磐渓と邂逅し、藩主・伊達慶邦との目通りも叶えられる。だがそんな折、黒船騒動が起こり、「安政の大獄」へと世は移り変わっていく。左太夫は蘭学を学ぶために、復斎のもとを離れることを決意する。そうして掴んだのが、外国奉行・新見豊前守の従者の任だった。新見はこれから正使として、日米修好通商条約の批准にアメリカに行くのだという。あわただしく渡米の準備が進められ、安政7年(1860)1月、咸臨丸の勝海舟を追いかけるように、左太夫の乗った船は品川沖を出港した。それは日本人で初めての、世界一周の旅の始まりでもあった……。

第一章 開国前夜
第二章 航米渡海
第三章 前途暗雲
第四章 異国風聞
第五章 異境の陰
第六章 故国鳴動
第七章 人心荒廃


上田 秀人[ウエダ ヒデト]
著・文・その他

内容説明

遣米使節に加わった若き藩士が、幕末から維持への針を進めた。仙台藩士の玉虫左太夫は、学問を究めるため江戸へ出奔。幕府の学者邸で下働きを数年務めたのち、幸運にも条約の批准に渡米する外国奉行の従者の座を掴み取る。安政七(一八六〇)年一月、左太夫の乗った船は品川沖を出港した―。

著者等紹介

上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。’97年、第20回小説クラブ新人賞佳作に入選し、時代小説を中心に活躍。’09年、「この文庫書き下ろし時代小説がすごい!」のベストシリーズ1位に輝いた。’10年、『孤闘 立花宗茂』で第16回中山義秀文学賞を受賞。’14年、「奥右筆秘帳」シリーズで第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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雪風のねこ@(=´ω`=)

126
仙台藩士玉虫左太夫の視点から描かれる幕末記。渡米から列強各国の支配地域を見る事によって日本の置かれた状況を客観的に知ってゆく事になる。鎖国によって幕府の力は余りに弱まっていた。学を積むと言う事は、普段では見逃してしまう様な事柄を気づく様に成る為と言える。逆に学をさせないというのは都合の良い隷従の徒を作る事に他ならない。西洋諸国の植民地支配と幕府の封建制度は似ていると言える。鎖するのではなく、価値観の違う者と接する事は自己を客観的に捉えさせてくれる。寧ろ米大統領が替わった時期に出版された事に拍手を送りたい。2017/02/12

ichi

25
【図書館予約本】幕末の仙台藩の玉虫佐太夫が主人公のお話。一度脱したのにもかかわらず、勉学ができるおかげで藩に戻ることができ、江戸へ赴く。坂本竜馬や勝海舟などを友とし、今後幕末へ向けどう佐太夫は活躍しけいけるのか。楽しみです。2017/05/29

スー

24
5仙台藩士の玉虫左太夫はあんまり知らない人物なのと幕末の東北は会津がメインの本が多かったので別の視点の本が読みたくて手にしました。貧乏藩士の家に婿に入ったが妻の死をきっかけに勉学の為に江戸に出奔、従者となり米国に渡り世界一周して帰国、米国の家柄に関係なく能力で出世でき女性でも大学に行ける事に驚きアフリカやアジアの植民地の惨状に衝撃を受け目を開かされ帰国後に勝海舟や坂本龍馬と交友して多くの知識を得て藩主に見出だされ世の情勢を調べる為に京に行く。とても面白く読めるけど東北がどうなるのか知ってるので少し切ない2021/01/10

aloha0307

19
幕末もの は薩長、会津の視点からは数多読書を重ねてきたが、奥羽越列藩同盟を軸とした作品は初めてです。仙台藩下級武士の玉虫左太夫は、出奔先の江戸で語学の才を認められ、日本で公式に初めて訪米した幕府使節団に加わる。上巻では、米国他での実体験をいきいき描きます。日本で初めてビールを飲んだのは彼かな?胸の大きく開いた女性のドレスにドキドキetc もちろん欧米の進んだ文明&科学技術力、生活の豊かさと日本との格差を目の当たりにします。語学に堪能なのを、語学屋(仕事はできない)に貶めようとするのは昔も変わらないのだな。2017/05/14

はじめさん

18
幕末の仙台藩士・玉虫左太夫。武家の次男坊で勉学に秀でるが、婿入り先で娘を産んだ妻と死別。婚家に留まる事もできず、再び冷や飯食らいになるのも嫌という事で、自ら婚家に三行半をつき付け、江戸にエスケープ。口入れ屋の手配で学者の家に潜り込み才覚を認められて、あれよあれよとアメリカ視察団入り。太平洋の彼方で見る、巨大な列強のパワァ。規律で意思統一され、嵐にパニくらない水兵、勤務外はきさくな上司部下の関係、女も大学へいき仕事をする。カルチャーショックを受けつつも帰国し、知己を得た勝海舟に引き合わされる「竜」。下巻へ。2017/01/25

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