出版社内容情報
家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。戦後復興期、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!昭和24年、上野。戦争未亡人ばかりを集めたバー・山猫軒に、ひっそりと暮らす若い女性と少年がいた。バーを切り盛りする青柳きわと、住み込みで働く立平だ。
立平は満州で生まれた。幼い頃に母を亡くし、無口な父とばあやと過ごす平穏な日々は、ある夏の日に突然終わりを告げた。敗戦で父も喪った立平は、父の恋人と一緒にまだ見ぬ祖国を目指す船に乗った――。
きわは日本で生き残った。戦地から負傷して戻った夫が看病の甲斐なく亡くなり、大きな屋敷に一人きりになったきわの元に、おかしな母子が転がり込んできた。母親は息子を置いて姿を消してしまう――。
なにがあっても、離れない。
家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。
生き抜くため、絡み合う蛇のように彼らは時代を駆け抜けた。戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!
第一章「殺生」
第二章「偸盗」
第三章「邪淫」
第四章「貪欲」
第五章「邪見」
第六章「瞋恚」
第七章「十悪」
加藤 元[カトウ ゲン]
著・文・その他
内容説明
家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた。新たなる傑作!
著者等紹介
加藤元[カトウゲン]
1973年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退。2009年『山姫抄』で第4回小説現代長編新人賞を受賞してデビュー。2012年『泣きながら、呼んだ人』がさわや書店のオススメ本年間第1位に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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