泪壺

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  • サイズ B6判/ページ数 202p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062105125
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

愛のかたち、死のかたち!若くして逝った最愛の妻の骨を手放したくなくて…肉体と心の交叉する瞬間を、名文で鮮やかにとらえた秀作!10年に1度、特別作品集。

著者等紹介

渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年10月24日、北海道に生まれる。札幌医大卒。医師ののち、1969年作家に専心。『光と影』により、直木賞受賞。1980年、『遠き落日』と『長崎ロシア遊女館』により、吉川英治文学賞を受賞。代表作に『失楽園』『無影灯』『阿寒に果つ』『花埋み』『化粧』『ひとひらの雪』『桜の樹の下で』『静寂の声』『白夜』『うたかた』『かりそめ』等
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いろは

19
六作の短編小説集。私が小説家になったとき、書きたいジャンルがメジャーな作家で渡辺淳一か桜木紫乃なので、今回は渡辺淳一を読んでみた。どの作品も、ときにはため息が出るほど素晴らしかったけれども、とくに思い入れが強いのは、『春の別れ』だった。この作品に出てくる志保のように、男の口説き文句に一喜一憂しないような女性に、私もなりたいと思う。それから、『白くなんの変哲もないハンカチだが、それだけに、その白さと、丁寧にプレスされたあとが生々しい。』たった白いハンカチだけで、ここまで想像させる渡辺淳一も、やっぱり上手い。2018/12/13

あつひめ

19
さらっと語っているようでずっしり重みをかけている。さすが渡辺さん、女ごころを熟知なさっている・・・と感じました。男と女、べったりくっついたり磁石のS極N極のように力を加えるように離れたり。でも、男も女を甘く見ているところがあるのかもしれないなぁと感じました。男が愛し大切にすれば女は応える。でも逆に少しでも気持ちが逸れれば女は奥の手を出してくる。泪壺はゾクッと背筋が寒くなりました。女は骨になっても女なんだ・・・。2011/06/06

鈴子

9
女心を熟知なさってる、さすがの渡辺氏。『泪壺』はホラー?⁈怖さもありです。そこまで愛してながら再婚ってどお?壺を置いておくっていかが?あとのお話は、結構しつこく、みじめったらしい男性が出てきて男性って弱い生き物なのね、と思いました。 2023/12/13

朱邑

5
こんな名前の映画があったなと思い借りてみました。他の方も言われているように、さらっと読めます。骨で壺を…ってすごいことを言いますね。表紙のインパクトが強いので、暗闇に浮かぶ壺を想像すると怖い。そんな物があったら、亡くなった奥さんに一生囚われたままなんでしょうね。自分だったら、早く忘れて大事な人を見つけてほしいと思うけど、綺麗事なのかな…と読んでて思いました。2016/04/21

ホキム

3
一時はよく読んでいた渡辺淳一氏の作品。インパクトのある表紙に久しぶりに手に取りました。6作の短編集の中でもやはり泪壺が良かったですね。2021/05/24

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