講談社文芸文庫<br> 湖畔/ハムレット - 久生十蘭作品集

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講談社文芸文庫
湖畔/ハムレット - 久生十蘭作品集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 248p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984158
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

107
久生十蘭初読み。北村薫氏の「ミステリは万華鏡」で取り上げられた2作品が収録されていたので手に取る。なるほど小説の魔術師と言われるだけあって多彩で独特な読み味を楽しめた。「湖畔」は文語調で難読漢字にカタカナ英語が随所に入る。読み辛そうだがテンポよくスラスラと。さらに現実と幻想の区別が曖昧となり、歪みのある純愛がおかしみのある作品へと仕上げられていた。「ハムレット」など他の作品もそうだが、物語と文体が巧く作用し合って、より奇妙さ滑稽さ哀切さが醸し出される。魔術だ。読み物だが語りの奇譚のような面白味を感じた。2021/09/25

コットン

57
色々な味のする7つの短編集。『母子像』:女性間の評判が良くないクィーン的な存在の母とそんな母だからこそ秀才にならざるをえない子の物語。直木賞受賞の『鈴木主水』は内省的で深く考えているが故の不幸。墓の下から出てきた老人の話の『ハムレット』は演劇と心理学が絡んでいる。『湖畔』が一番良く、後味が忘れがたい。2015/12/03

みも

32
【ハムレット】【鈴木主水】【奥の海】【母子像】の4篇のみ、青空文庫にて拾い読み。他の方々のレビューを拝見すると概ね絶賛。ところが、僕には響くものが無い。相性の問題だろうか…。【鈴木主水】は直木賞受賞作でもあるので、恐らく僕自身の読み込みに問題があるのだろうと思われる。4篇とも共通しているのは、重荷を背負った人間の悲哀とも言うべきか…。残念ながら、その悲哀の深さが僕には伝わってこなかった。印象的なのは【母子像】結末での衝動的な行動は、正気か、狂気か…。どちらにしても、何かに憑かれていたには違いない。2017/09/06

藤月はな(灯れ松明の火)

30
先が見通せない、ころころと状況によって変化する人々の機微を鮮烈に切り取る手腕によってジュウラニアンという熱狂者も獲得した叙述トリック的な手腕が見事。「湖畔」は読んでいくに従い、登場人物の印象ががらりと変わり、「ハムレット」はオフィーリアにも裏切られた狂気を演じ、狂気に呑み込まれたハムレットの埋葬と「神の心」とも取れる復讐に息を呑みます。意外な機転の結末を描いた「鈴木主水」と諸行無常を思わせる「呂宋の壺」も好きです。そして「玉取物語」は「・・・・そっちか!」と思わず、ツッコんでしまいました(笑)2012/11/03

mm

27
大佛次郎・澁澤龍彦・中井英夫が押したという。「鈴木主水」で直木賞も取っている。吉田健一が英訳して「母子像」は世界短編小説コンクールの一位をとったという。。触れ込みはゴージャスじゃあないか。探偵小説、捕物帳、ユーモア、歴史、幻想小説と幅が広いのが特徴みたい。器用な感じはするんだよね。フランス留学とか演劇とかの活動の幅もあるから、ペラい感じもしないし。。でも、これ本だけでは、つかみきれないな。他の本も、ガシガシ読んでみよう。一部分では芥川龍之介の従兄みたいな感じもするなあ。2018/06/09

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