出版社内容情報
【内容紹介】
強烈な個性と個性がぶつかりあう時、どんな火花が飛び散るか――それがこの本の狙いです。同時代を代表する2人が、カタカナ文字の外来語をテーマにショートショートを競作すると、こんな素敵な世界があらわれました。さあ、2種類の原酒が溶けあってできた微妙なカクテルの酔い心地をじっくりとどうぞ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
140
⭐️⭐️⭐️86年の本ですので、ちょうど30年前の遊びゴコロのあり余るお忙しいお二人の珍妙な字引きのような本。私が古本屋でモトメタのは68回目の増刷版でしたが、ダブルネームだとやはり凄まじい需要を発揮するもんだと感心しました。内容は読んでのお楽しみなので言いませんが、携帯もパソコンも無い公衆電話と家電話の世界のお話は懐かしくもあり、少しつむじの曲がった感じのお二人の小噺は面白かったり理解不能だったりいろいろですが、何となく昔読んだショートショートの話に似ている感じがしたのは私だけでしょうか?2016/04/12
ハイク
133
村上春樹と糸井重里のコラボである。カタカナ語の面白解説集か連想ゲームなのか読んでいくと後者のような雰囲気も含んでいる。村上氏の解説に「面白い文章に挑戦」したのだ。糸井氏は後がきで「読者の夢に登場すれば有り難い」という感じで書いたとしている。要は著者の発想力ゲームなようなもの本と 解釈した。大部分は頭に残らない軽い本なのだ。面白いテーマの一つに「インタヴュー」がある。実際現実のキャリアウーマンでもこの種の会話があると思うが、焦点を外したのが面白い。春樹本に慣れているので読みやすく、発想が豊かであった。 2017/02/16
ヴェネツィア
114
村上春樹と糸井重里によるショートショートの競作集。内容的にはきわめて軽い。こうしたものを1,2作書く分には気軽に向えるかも知れないが、これだけの量になると案外たいへんなのではないだろうか。もっとも、ここでは2人とも「軽み」に徹していて、そんな苦労は微塵も感じさせない。そして、同じ「軽み」とはいっても、2人の個性は時には似通い共鳴し合いながらも、それぞれに違っている。ただ、こうした競作ということになると、ついつい村上春樹に肩入れしてしまうのだが。2012/11/07
sakap1173
52
村上さんと糸井重里さんによる超短編集。 カタカナの外来語について、シュールな短編ぼかり。 あっという間に読了。 2人ともいい感じにはじけてます。2022/10/24
キジネコ
42
ハルキさんには(m)シゲサトさんには(i)と文末に筆者が明記してあります。なくても分かるだろ!と皆さまに云われそうなのですが読んでる最中徐々に、どっちの文章か知らん?と迷いの宮で立ち止まります。プロットの奥行でmさんに一票、言葉の爆発力でiさんに一票。優劣など無意味、拙読のアタクシがあーだこーだ云うのは大変烏滸がましいことなので云わない。でも次第次第に二人の文章を解剖学的、鵜の目鷹の目、まるでブレードランナーのデッカードの様にして読んでいる自身に気が付きます。面白い読書体験でしたがiさんの下ネタは今一つ…2017/07/07