講談社文庫<br> 人間の檻 - 獄医立花登手控え4

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講談社文庫
人間の檻 - 獄医立花登手控え4

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061836266

出版社内容情報

【内容紹介】
病気の亭主に代って、店を取り仕切る女房おむらに挑みかかった槌屋彦三郎の頸をしめた手代新助は、情状を汲まれて八丈遠島と決まった。新助の身を案ずるおむら。一件落着と見えた事件の裏には、匂うような女の性が……(「女の部屋」)。颯爽、柔の冴えで悪に挑む好評シリーズ・獄医立花登手控え、ここに完結!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大阪魂

19
獄医立花登シリーズもあっちゅうまに4冊め。これでこのシリーズもおわり…寂しいなあ…でもたしかにこんだけ同じような展開ばっかり続くとマンネリにはなってしもてたしねー最後の「別れゆく季節」で、悪党銀次一味と最後の対決、登のことが好きやったおあきとの決別、そしておちえとのテレテレの青春からの卒業、素敵な終わり方やったとおもう!上方での蘭学の勉強から無事もどっておちえとおじさんおばさんと、ぶつぶついいながらも医者として、おっちゃんヒーローとして活躍してる第二弾獄医シリーズ、読みたかったなあ…2018/07/10

AICHAN

17
江戸時代にタイムスリップするならどの階級の人間になりたいかいつも考えていて(そんな俺って変な奴)、武士がいいなとか職人のほうがいいかなとかいろいろ考えた。けれど、このシリーズをまた読んで「医者がいい」と思った。当時は医学部も医師の国家試験もなかったから、なろうと思えば頭が悪くても貧乏でも誰だって医者になれた。腕が悪かったり知識がなければ患者が来ないだけで、医者になるのは簡単だったのだ。タイムスリップしたら猛勉強して知識を身につけ、現代で覚えた知識も加え、人に役立つ医者になろう(ホントに変な奴)。2016/01/04

AICHAN

12
主人公は羽後亀田藩の微禄の下士で22か23歳である。彼は武士ではなく身分外の存在である医者になったが、幕府の年上の同心や岡っ引きと対等な言葉遣いで会話するのには違和感。岡っ引きは同心に個人的に雇われた町人だからわかる。同心は一代限りの役人で軍人ではなく警察官なので上士から不浄役人と軽蔑されていたとはいえ、いやしくも幕府の役人である。それに対して「亀田藩の下士」にしろ「医者」にしろ対等に口がきけたものか。しかも主人公は20歳過ぎとは思えない分別と知恵を持つ。その点はこのシリーズの引っ掛かるところだな。2016/01/10

AICHAN

12
江戸時代の牢獄の様子がよくわかる。獄内は畳一帖に数人という寿司詰めだったようだし、暖房もなく厳しい環境ではあった。ただ、祖末ながらも食事を与えられ、たまに湯もつかえ、しかも主人公のような獄医まで付けられていたのだから、意外にまともだったようだ。一方、牢獄には世話役、鍵役、打役といった同心がいて、小さな仕事を分担している。幕府が多くの家臣をみな役人にしたので、仕事を細分化して小さな仕事を大勢に振り分けた結果だろう。彼らは非生産階級。非生産階級が威張り生産階級が見下げられるのは現代と変わらない。2015/11/28

AICHAN

11
このシリーズは何度読んでもまったく面白い。江戸時代の牢獄の様子や庶民の暮らしがよくわかるのも魅力だが、獄医の主人公が罪人やその家族を優しい目で見詰めて救いの手を差し伸べるところがいい。困っている人や苦しんでいる人を見捨てることができないその性格は、医者に求められる最大の資質だと思う。しかも主人公は柔術の達人。柔術は前田光世によって世界に広まりグレイシー柔術を産んだ。柔道になる前の柔術は刀とも戦わなければならかったから実戦的だったのだ。主人公が「気は優しくて力持ち」なわけだから面白くならないわけがない。2015/11/17

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