講談社ノベルス
暗闇の中で子供―The Childish Darkness

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  • サイズ 新書判/ページ数 471p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061822061
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

模倣犯/運命の少女/そして待ち受ける圧倒的救済…。奈津川家きっての価値なし男にして三文ミステリ作家、奈津川三郎がまっしぐらにダイブする新たな地獄。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

74
奈津川家サーガ、二弾は愛媛川十三こと三郎の話だ。何事も中途半端で、人には偉そうなのに不誠実、本気を出さずに誰も愛さない自分を卑下し、誰かに罵倒・罰せられて許された気になっている。でもその事でも傷つき、自家中毒に陥る三郎。彼の姿は私の写し身のように思えて心を抉る。そして自家中毒ブルトーザーの為に周囲に災厄を齎した業、償う機会を自己満足で喪った彼に訪れたのは強烈でグロテスクな救いだ。ユリオに掛ける「大丈夫大丈夫」は自分以外の誰かに掛けたかった言葉でもあり、呪いでもあったのだろう。でも結局、二郎はどうなったん?2020/08/29

あも

73
奈津川サーガ。未文庫化に納得の迷作にして名作。メタか虚構かそれとも全てが等しく真実か。章毎に少しずつ食い違っていく世界。僕らを包む世界もきっと緩やかで目を凝らさないと気付けない不条理と混沌に満ちている筈なんだ。マイジョーは鈍感な僕らのため、それを過剰な暴力と血でデコレーションし眼前に突きつけてくれる。真の物語は筋道や構成や論理や、もしかしたら感情さえ越えて心の核そのものを直に刺激する。僕らの中に暗闇で泣く子供は今もいて、その子を笑わせることもそうしないことも可能なんだ。それこそが物語の力。物語の存在意義。2013/10/11

hit4papa

73
「煙か土か食い物」の続編です。前作を読んでいなければ意味不明ですが、そもそも舞城作品を読み慣れていないと思考停止に陥るでしょう。ぶっ壊れた美少女を中心に超グロテスクで荒唐無稽な連続殺人が絡むという、フォーマットはミステリです。ただ、まともに受け止めると壁本もの。虚構と現実が交差するマジックリアルズム的な手法は他の作品に見られますが、本作品はその境目が判然としません。なので、余計分かり難くいのだと思います。色んなものをはぎ取って、ぎゅうぎゅうに絞ると残ったものは無垢な愛でした、というのが僕の見方です。2016/09/18

とら

59
年末になんて本を読んでしまったのか!奈津川サーガ。やはりベラベラベラベラ事件の事について思ったことは吐露してしまうから読者側としては「お...おう」くらいにしか思えないのである。読者が本来考えるはずの事を代弁してくれちゃってるのだ。だからミステリ要素はほぼ皆無と言って良い。けれど殺人方法とかその動機とかその事後とか人間関係とかは半端じゃない程面白い。いやイカれてるだけなのかもしれないけれど。でもこのサーガの根底にあるのは「家族」系列のことで、決して後味は悪く無いしむしろ良い位。今まででのベスト舞城だった。2012/12/27

さっとる◎

42
「煙か土か食い物」の続編で三郎が主人公。本読んでここ最近で、てか今年一番混乱した(;´∀`)わけわからんー何これ面白いやん!ではなく、普通に混乱(笑)書きたいであろうことははっきりしているように思えるし、それ自体は素敵なこと。それなのにこのグダグダカオス置いてきぼり感は一体(笑)三郎も好きなのに(笑)舞城さん2作目だが、これは色々ギリギリだったな(゚∀゚;)暴力描写とか性的なあれこれとか文章の騒がしさとか(^^;「大丈夫大丈夫・大丈夫大丈夫…」私も言われたい(笑)うん、好きな場面もあるんだけどね…2016/02/17

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