講談社学術文庫<br> 『聊斎志異』を読む―妖怪と人の幻想劇

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講談社学術文庫
『聊斎志異』を読む―妖怪と人の幻想劇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 248p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061594920
  • NDC分類 923.6
  • Cコード C0198

内容説明

清朝が生んだ古今怪異文学の傑作『聊斎志異』。科挙にやぶれた蒲松齢がはぐくんだ四百数十編のロマンは、豊かな想像力と現世への鋭い眼差しにより、芥川、太宰さらには西欧文学にも深い影響を与えた。全編を覆う、美しい仙女、恐ろしい幽鬼、鳥獣花木の精の跳梁。これら超自然と人間たちが織りなす、美と哀しみと妖気たゆたう不可思議空間を読み解く。

目次

第1章 その書のあらまし
第2章 科挙は怖い
第3章 独創性の在り処
第4章 夫婦は異なもの
第5章 解語の花はいやらしい―狐の話その一
第6章 詼諧玩世―狐の話その二
第7章 批評家の群れ―狐の話その三
第8章 よき友、よき女房―狐の結び

著者等紹介

稲田孝[イナダタカシ]
1915年生まれ。東京大学文学部中国文学科卒業。東京学芸大学名誉教授。元日本大学文理学部中国文学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハイちん

3
図書館にあったので読んでみた。聊斎志異の解説本。(ちなみに図書館に聊斎志異はなく、この解説本だけが置かれていた)聊斎志異の何編かを丸ごと引用しながら、当時の中国の世相や聊斎志異の著者の境遇などを交えて解説している。行間紙背にまで及ぶ洞察から生じた解釈は含蓄に富んでいて、こんな読み方もできたのかと驚いた。自分の読書の薄っぺらさを思い知った気分だ。2014/10/28

竜王五代の人

2
なんか、「本当は怖いウンヌンカンタラ」みたいな、穿ったというかあんまり楽しくない発想が目立つ。2024/03/31

GEO(ジオ)

2
狐など妖怪の話を描いた『聊斎志異』の解説。なかなか面白い。2014/04/06

韓信

1
科挙を巡る悲喜劇、夫婦の愛憎、人間社会への批評家から良き友・良き妻として描かれる多彩な狐の役割まで、聊斎志異のエッセンスを抜き出し、その背景までを軽やかに描く概説書。蒲松齢の生涯を鑑みると、やはり自身にとって身近だった科挙や読書人社会に対する諷刺的な意味合いを持つ作品が目立って見えるが、彼が生きた山東の話が多いというのは本書を読んで初めて気づいた。清代の山東にも倀鬼の伝承や溺女の習俗が伝わっていたというのも興味深い。岩波文庫や柴田天馬訳の1巻くらいしか読んだことないのだが、きちんと全訳を読みたくなった。2021/04/24

ks3265

1
聊斎志異の中の「竹青」という話が好きで、この本を好きだと言ってきました。もちろん和訳本しか読んだことがなかったのですが、知人から白話本を頂いたのですこしづつ呼んでいます。関連本ですが、こういう読み方もあったのかとおもしろく読みました。狐が多く出てくるようです。妖しの話が好きです。狐もかわいいですね。2018/05/20

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