内容説明
松江から熊本へ。日本での生活体験が広がるにつれ、小泉八雲の日本理解も哲学的思索へと深まってゆく。古来、日本人は樹や泉、鏡などの中に「霊的なるもの」を感じ、信仰の対象にしてきた。その日本の文化と精神の流れを、メタフィジカルな次元で捉えようとする。『九州の学生たちと』『博多にて』などの佳作を中心に、東方の国日本を巧みに描いた味わい深い作品集。
目次
九州の学生たちと
博多にて
生と死の断片
悲願達成
門つけの歌
ハル
日本の俗謡にみられる仏教的なもの
環の中で
月が欲しいという願い
セレナーデ〔ほか〕