内容説明
古来、心に残る名文句は、特異な表現である場合が多い。思考において論理がすべてではなく、言語も文法だけでは律しきれない。論理と文法の手にあまる言語表現の多彩な機能―黙説、転喩、逆説、反語、暗示など、レトリックのさまざまを具体例によって検討し、独創的な思考のための言語メカニズムの可能性を探る。在来の西欧的レトリック理論の新しい光をあてた『レトリック感覚』に続く注目の書。
目次
はじめに 認識のかたちとしてのレトリックの〈あや〉
第1章 黙説あるいは中断
第2章 ためらい
第3章 転喩あるいは側写
第4章 対比
第5章 対義結合と逆説
第6章 諷喩
第7章 反語
第8章 暗示引用