内容説明
建築の近代化は、人びとの住意識を急激に変えてきた。本書は、自然界の生きものの巣を探索し,豊富な図版や写真を駆使して現代建築が置き忘れた問題点を模索する。クモの巣と重力の法則やハタオリドリの営巣と引っぱりの力、またビーバーのダムやシロアリの塚づくりにみる巧妙な技術など、混迷と行きづまりに悩む現代の建築観に語りかけるものは多い。生きものたちの巣づくりに学ぶ現代建築評論。
目次
第1章 幾何学のない家
第2章 吊り下げる家
第3章 水に浮く家
第4章 地中の家
第5章 空気のめぐる家
第6章 土でつくる家
第7章 高層の家
第8章 愛のための家
第9章 威嚇のための家
第10章 バベルの家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピタゴラ・W・プロタゴラ
1
自然の中で、いかに生物が自分達の巣を作ってきたかを紹介しつつ、現代建築が抱える問題を浮き彫りにし、反省を促す内容。 約30年前の本だけれど、未だに解決できていないことがいっぱい書いてあって、少し空くなる。建築の本質とは、アウトラインではなく、目に見えない細部に宿るという指摘はもっともだと思った。いかに、見た人の心を奪うかと奇抜な路線に走りがちでそれを評価しがちな現代人にお薬代わりになる一冊ではないだろうか。 でも、安藤忠雄が若手扱いされているから、相当古い本なんだなぁ…。2016/04/17
almondeyed
0
マルハナバチ(bumble-bee)の巣室は幼虫が発育するにつれて膨らんでいくのか。はじめて知った。あと、「泉岡記録」がつよく印象に残った。2012/02/05