内容説明
かつてない激動にゆれる超大国ソ連は、どこへいこうとしているのか。世界に類をみない強固な専制国家ロシア帝国から、ロシア革命によって人類史上最初の社会主義国家を建設したソ連邦の今日にいたるまでの軌跡をたどる。また、江戸時代の漂流民にはじまり、現在の北方領土問題にいたるまでの日露・日ソの交渉史をくわしく紹介しながら、この近くて遠い国ソ連邦の過去と現在を生き生きと描き出す。
目次
1 ロシア史へのアプローチ
2 キエフ‐ロシア
3 モンゴルとロシア
4 モスクワ‐ロシア
5 ロシア帝国の成立
6 貴族と農民の帝国
7 謎の皇帝と貴族の革命家たち
8 改革と反動
9 戦争と革命
10 ソビエト社会主義の建設
11 第2次大戦後のソ連邦
12 第2次大戦後の日ソ関係と北方領土問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彬
9
これを読んでようやくロシアに触れたように思う。北の国がロシアの萌芽となり建国から王朝が始まり、西側諸国からの立ち後れを取り戻そうと奮闘するも旧勢力との折り合いが上手く付かずに革命への熱へと傾倒し、そして夢実現となればそこからは血みどろの権力確立となり、国内はその舵取りに必死になってしがみつく。社会主義の敗北のように感じた。理想と現実に身を以て辛酸を舐めた国という印象を持つ。最後の付録として領土問題を扱っているのもありがたい。ここでロシア側の主張がようやく飲み込めた。これを基礎にもっと突っ込んで知りたいな2012/11/08
おおた
7
ロシアからソ連へ続く時代の教科書といった趣。通史として最初に触れて、より深く掘り下げるための助走にすべき。2012/10/21
オザマチ
6
ゴルバチョフの辞任手前まで。第一次大戦以前のロシアについては勉強する機会がほとんど無かったので、初めて知ったことがたくさんあった。2014/01/09
中島直人
6
伝説のバイキングの時代からゴルバチョフのペレストロイカまでの通史。ロシアの歴史は西洋と如何に対峙するかの歴史という面も持ち、日本との共通する面についても興味深く読めた。なお、日本の学会で主流となっている学説であり、受験勉強する学生に良い本かも。2012/05/08
hinoken
4
ロシアの通史本。よくまとまっていて読みやすいと思った。日本との関係の記述も多くて興味深い。しかしながら中世から現代まで、ロシア農民の苦難がよくわかる。2012/05/23