内容説明
日本人の名前に対する禁忌習俗の発生・発見とその史的変遷の諸相を探り、日本歴代のイミナ習俗や、継名・贈賜名・通し字・アザナ(複名)などの実態を明らかにする。また有名な国家安康の鐘名事件等にも触れるなど、史実や先蹤の研究も尋ね、著者のかねてからの「言事融即感」の深い透視力が捉えた「言霊研究」の一つの結実をここに見る。付録として、中国歴代の王候名についての避諱習俗とその事例、杜甫の避諱観についても説く。
目次
1 禁忌の習俗
2 禁忌の分類
3 人称の禁忌
4 日本のイナミの変容
5 日本歴代のイナミ習俗
6 中国歴代の避諱習俗
7 杜甫の避諱観
8 司馬遷と秦始皇帝の名