講談社学術文庫<br> みだれ髪の系譜

講談社学術文庫
みだれ髪の系譜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 398p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061588462
  • NDC分類 902.1

内容説明

くろ髪の千すぢの髪のみだれ髪…与謝野晶子が謳いあげた女の黒髪、その官能の源流を追って、著者は蕪村、新古今へと溯行し、さらに西欧に目を転ずる。流れる髪の妖艶美は、東西の19世紀末画家達の好んで描くところでもあった。日本人の心に受け継がれた、切々たる情緒の流れを縦糸に、西洋との邂逅を横糸に、あでやかに織りなす詩と絵画の比較文化史。晶子論に新境地を拓く表題論文ほか、荷風、浮世絵等をめぐる論考を収録する。

目次

1 詩の十字路(みだれ髪の系譜―蕉村・晶子・アールヌーヴォー;かなしい遠景―ビアード博士と朔太郎;淡青い空―立原道造の手紙から;六月のユートピア―茨木のり子の詩一篇)
2 訳詩のなかの日本(秋の歌―日本と西洋;「ぴあの」の詩―永井荷風とヴェルレーヌ)
3 ヨーロッパをこえて(ルソーの桃源郷―サン・ピエール島の「間適」;ズライカ讃歌―ゲーテの『西東詩集』より)
4 異郷の日本美術(コネティカットの大正版画;オクラホマの若沖;ライデンの川原慶賀)
5 夜半亭のほとり(パクス・トクガワーナ〔徳川の平和〕;徳川日本を映す小さな詩群;おもたき琵琶―蕪村の発句;夜半亭蕪村の手紙;蕪村とラルボー―夜明けの詩;蕪村・大祇・白雄―俳諧を「読む」;口腹の俳諧・幸福の文芸)

感想・レビュー

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双海(ふたみ)

15
表題論文「みだれ髪の系譜―蕪村・晶子・アールヌーヴォー―」と、「淡青い空―立原道造の手紙から」の2篇がとくによかった。「枕する春の流れやみだれ髪」の与謝蕪村の美しい句から始まる表題論文は図版も豊富で目にも愉しい。「漱石枕流」の固い故事を蕪村流のエスプリで解き開くと、やわらかくほのかな香気ある句に変わる。文字通り「みだれ髪の系譜」をたどる味わい深い旅である。2019/08/25

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