内容説明
『自由論』で知られる19世紀のイギリス功利主義思想家ジョン・スチュアート・ミル。本書はミルの生涯をたどりながら、ベンタムやカーライルら当時のヨーロッパの代表的知識人との多彩な交流を通じて、ミルがその思想をいかに形成・発展させていたかを探り、また彼の思想を倫理学的視点から考察することによって、ミルの自由主義が功利主原理の枠内にあることを明らかにした。彼の十余の著作の抄訳と解説をも付した画期的書き下ろし。
目次
第1部 ミルの世涯
第2部 ミルの思想(ミルと明治の思想家たち;19世紀思想家としてのミル;ミルの実践の論理;実践の論理の用法;動機付けとしての強制力;功利原理とは何か;功利原理の証明;自由と功利性)
第3部 ミルの著作(「カトリック教徒の解放」;「完成可能性論」;トーマス・カーライルへの手紙;ジョン・プリングル・ニコルへの手紙;アレクシス・ド・トクヴィルへの手紙;『コールリッジ』;コントへの手紙;『議会改革案』;『自由論』;アーサー・W・グリーンへの手紙;『功利主義』;ジェームズ・ミル著『人間精神の現象分析』註;「有神論」)