感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
12
亀井勝一郎が日本人の文化、思想史を改めて通観し、その精神の内奥にまで迫ろうとしたライフワーク的な大著。記紀神話や万葉をさせた七世紀、八世紀の古代日本を、政治変動や異文化との交流によってそれまでの原日本的な、神々と隣接していた時代から人々の時代へと移り変わる「神人分離」の時代と読み解き、その神と人との別れの哀感、時代の激動への対峙から文学思想芸術と深く読み解き整理していくのは流石の手並み。また、そこにはやはり時代の激動、異文化との対峙で戦前の「神の世界」から切り離された戦後日本が重ねられているようにも見える2018/10/18
905
1
亀井勝一郎が好きで以前は折に触れ読んできたが、何年ぶりかに読んだのがこの畢生の作。著者の知識や思想の深さがすごくて、それに対して無知な自分は「はぁそんなもんですか」ぐらいの感想しかない。著者はなるべくそのまま味わった方がいいと言うけれど、そもそも万葉の歌をそのまま読んでもあまり意味がわからないのが困りもの。2020/05/21