感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
柳田とマルクス、ウェーバーとの比較。前者はどうでもいいとして、確かにウェーバーは『東エルベ・ドイツにおける農業労働者の状態』から仕事を始めているわけで柳田の『産業組合通解』と初期に関しては比較可能だろう。東畑精一は通解を「明治年代第一の文献である。その中の産業組合批判には、尚、今日傾聴すべきものが多い」と言い橋川は「実証的要素の卓越さ」と述べる。「農業問題からその学問・思想の形成を始めている」との指摘は見事なのだが正直、中期、後期だと無理がありすぎるだろう。むしろ一ヶ所言及したデュルケムこそ相応しかった。2021/04/14
翔亀
7
政治思想史家が、まともな伝記がないので自らものしたという伝記。内容は私の想像を絶していた。例えば、同時代の森鴎外が今でいう厚生官僚として衛生学の先駆だったのと同様、農政官僚として農政学の先駆的仕事をしたこと、鴎外と柳田となんと田山花袋が文学仲間だった等、明治という時代の凄みを知ることができる。何より、柳田の生涯の仕事(民俗学)は政治の改善のために世界史的に類を見ない学問を開拓し、ウェーバが最後のヨーロッパ人なら、柳田は無限の負荷を担おうとした最初の人間だったと喝破する。そんなに凄い人だったんだと感心■932013/12/15
politics
5
政治思想史家による柳田國男の評伝。柳田の没後かなり早い時期に書かれたもののため、伝記を書く事に大変苦労していたようである。M.ウェーバーとの比較が随所に見られるが、なるほど確かに類似性を感じる。だが、その相違点こそが決定的に重要で、柳田が通常の意味での保守主義者ではないのに通じるのだろう。2022/04/08
iwasabi47
3
以前読んだ本に掲載されていた論考と被っていた。あるあるだ。 https://bookmeter.com/reviews/809759872019/10/07
Jimmy
0
遠野物語を読んだ勢いで、これまたはるか遠い日に買って読んでいなかった柳田の解説本を手に取る。2011/07/05