講談社現代新書
「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498587
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0221

出版社内容情報

昭和ヒトケタの日常
向田邦子の少女時代はどんな暮らしだったか?
官民格差、学歴格差の現実のなか、「月給百円」目指して出世を競い、家庭では「お受験」も過熱・・・。勃興期にあった「サラリーマン社会」の内実から戦前を問い直す。

目次

第1章 お金の話―基準は「月給百円」
第2章 戦前日本の「衣・食・住」
第3章 就職するまで
第4章 サラリーと昇進の「大格差」
第5章 ホワイトカラー以外の都市生活
終章 暗黙の戦争支持

著者等紹介

岩瀬彰[イワセアキラ]
1955年東京生まれ。慶応義塾大学文学部史学科卒業後、共同通信社入社。東京経済部で通産省、大蔵省、日銀などを担当。香港支局で香港返還、アジア金融危機など取材。経済部デスクを経て、現在は中国総局勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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sawa

9
★★★☆☆ 戦前が舞台の小説を読んでいて、お金の話が出ると、いつも現代で言うとどれ位なんだろう…と思っていたので読んでみた。大体2千分の一だそう。数字がいっぱい過ぎて読みにくいけど、なかなかおもしろかった。意外と給料もらってるな、と思っても当時は国家による社会保障がほとんどなかったため、病気になった時や老後のための費用を貯めるとなると、やっぱり大変。(図)2014/03/31

hitotak

7
戦前日本人の生活について、物価、給与額、家賃等の切り口でまとめている。当時の物価は大体現在の二千分の一だそう。軍人に対し、社会は見かけだけの尊敬を保って高いプライドを維持させるが待遇は低く、裏長屋に住む将校も珍しくなかったという。戦争中は戦時手当のおかげで支給額が大分上がるため、軍人は戦争をやめられないという穿った見方も紹介されている。女性の職業も「女工か女郎か」と言われるほど限られており、売買春は非常に気軽に行われた。差別的とも言える格差とコネ社会への不満がファシズムの台頭に繋がるのはいつの世も同様だ。2023/03/05

Hiroki Nishizumi

4
物価が今の二千分の一という提示は分かりやすく、今後の参考になると思った。また時代を遡っても考えていることや実際にやることが似ていることも興味深かった。2018/07/12

くさてる

4
戦前の日本社会の実態を、給与形態や仕事内容などから探り、その生活の実態に迫った内容。これが非常に面白かった。現代の人びとと戦前の人びとが確かにつながっている存在だということを感じることが出来た。日本人はずっと日本人だったんだな、という印象を受けたし、それでも良い方向に変化している部分はある(とくに学歴偏重と女性の扱い)ということが分かった。そしてそういう現代の自分たちと大して変わらない人々が戦争の渦に巻き込まれていったという事実が、恐ろしいのだ。同じ道をたどるのは、あまりにも簡単な気がして。2012/10/19

ふみ

3
戦前の日本、特に大正末期から昭和ひとけたの時代を軸として扱っている。物価、給料、衣食住、学歴・就職など現代のビジネス雑誌的な切り口のテーマが中心となっている。当時の雑誌の内容や関連する先行文献がよく参照されており読ませられる。新書という形でコンパクトにまとまっており、当時の金銭感覚のおおまかなイメージをつかむのには便利な一冊。2013/02/28

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