講談社現代新書<br> 江戸時代の設計者―異能の武将・藤堂高虎

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講談社現代新書
江戸時代の設計者―異能の武将・藤堂高虎

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498303
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0221

内容説明

徳川家康に天下を取らせ城を、藩をつくった近世のプロデューサー。

目次

第1章 立志伝―渡り奉公人から大名へ(織田政権下の近江―主君を求めて;豊臣秀長に仕える―参謀との出会い;直臣大名への抜擢―戦乱から復興へ)
第2章 大坂の陣―国家分裂の危機(要塞群の配置―豊臣恩顧大名の監視;実像の大坂包囲網―西国支配を固める;キリシタン禁令―大坂の陣への序曲 ほか)
第3章 豊臣体制の克服―藩(くに)を創る(城づくり・町づくり―合理性の追求;画期としての今治築城―新型城郭の創造;藩領の形成―流通構造の転換 ほか)

著者等紹介

藤田達生[フジタタツオ]
1958年、愛媛県生まれ。1987年、神戸大学大学院博士課程修了、学術博士。三重大学教育学部教授。専攻は、日本中世史・近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

195
地域の人や物を収奪した秀吉の中央集権に対し、藩という地域経営に尽くした藤堂高虎。彼の生き方はかつて仕えた豊臣秀長に由来する。秀長の下、近江や大和での経験と人脈がその志や築城術を育んだ。秀長のサロンには高虎の養子小堀遠州や、千利休、古田織部が集ったという。家康の意を受け要所に城を築き、西国大名を牽制して大坂包囲網を準備した。秀忠・家光への政権継承を支持し、城下町と農村を繋いで藩政を軌道に乗せた。要するに外様ながら率先して幕藩体制の範を示した人。江戸時代の設計者は大げさかも知れないが、その一人とはいえそうだ。2024/04/09

サケ太

21
藤堂高虎が好きだから。自分の戦国時代一番の推しである藤堂高虎を扱った書籍は少ないので、こういう実績や他者とは違う発想のもと動いていた、というのは面白い。築城で評価されているように思われる高虎だが、こういう街造りにこそ彼の本領が発揮されたのは面白い。それに、彼の構築した人脈というのも面白い。2021/03/08

ちぃ

13
都市の歴史を考えるきっかけとなる一冊だと感じます。高虎から家康に都市運営の設計思想が伝わった可能性もあるんじゃないかと感じました。2022/08/22

ごん

9
題名は「江戸時代の設計者」ですが、藤堂高虎についての著作です。世渡り上手と言われる高虎ですが、自分の才幹を認めてくれる主人である羽柴秀長や徳川家康には忠義を尽くしたようです。テクノラートとして有能であり、西国の豊臣系大名と人脈があった高虎は、家康の全国支配体制の確立に功績をあげるともに、自らの藤堂藩の治世を行い藩政の基礎を整えます。世渡り上手ということで後世の人からは過小評価されている高虎ですが、現代では正当な評価をすべき人物ではないかと思いました。 2019/10/20

OjohmbonX

8
藤堂高虎の業績を見ると、とりわけ築城に関して卓越した技術を発揮した人だと分かる。面白いのは、戦国時代~江戸時代初頭だと、純粋なテクノクラートではなく、戦闘集団の指揮官、紛争や利害対立の調整者・交渉役、地域の統治者といった役目でも活躍しているという多面性があるところ。豊臣恩顧大名ながら家康側近という特異なポジションは、この多面性に由来し、かつこの多面性を実現させているのだろう。さらに江戸時代に入り、藩が形成されてくると、地域運営のコンサルタントとして各地の指導にも入っている。2024/02/15

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