講談社現代新書
人形作家

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  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061496330
  • NDC分類 759
  • Cコード C0270

内容説明

不良少年から天才人形作家へ。六〇年代の新宿を駆け抜け、唐十郎、渋沢龍彦らと出会った激動の半生と創作の舞台裏を告白。

目次

1章 人生が始まっちゃった
2章 問題児の青春
3章 新宿に漕ぎ出す
4章 女形・四谷シモン誕生
5章 ただごとじゃつまらない
6章 人形作家としてデビュー
7章 人形観を模索する日々
8章 答えはない

著者等紹介

四谷シモン[ヨツヤシモン]
1944年、東京生まれ。劇団「状況劇場」の舞台に立ち、60年代後半~70年代にかけての新宿を核とするアングラ芸術運動の旗手の一人に。2000年~2001年には人形作家としてはじめて公立美術館での巡回展を成功させた。原宿の人形学校「エコール・ド・シモン」主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

26
絵画でも抽象画や写実画があるように、人形もさまざま。僕がこの世界に嵌り、吉田良一(現在は良)、天野可淡、ホリヒロシなどほぼ同時期に知った人形作家たちの中、一番最初のきっかけは四谷シモンの作品だった。これまた同時期、澁澤龍彦や金子國義、寺山修司に嵌っていて、彼らが四谷氏と親しくあったことは後で知ったのだがこの本にも彼らが登場している。共通の趣味趣向で気づいたら繋がってたっていうのは確かに読書メーターでもよくあることなので納得だ。そんな四谷氏の交友関係や制作秘話などを織り交ぜた半生がここに凝縮されている。2013/04/16

ゲオルギオ・ハーン

22
著者の自伝的な一冊。全体的にあっさりした書き方をしている。人形作家とあるが、ロカビリー歌手をしたり、唐十郎と演劇をしたりと多芸なことに驚く。なぜ人形作家1本になったのかという自己分析については醒めた感覚のまま打ち込むことができるのが人形製作だけだったというのだから素朴さを感じてしまう(演劇は次第に醒めてしまい集中できなくなったから辞めたそうです)。人形製作については完成すると興味を失うタイプのため手法こそ熱意を持って書いているが、作品については「今どこにあるんだろ?」という冷めた態度がなんだか面白い。2021/11/28

蘭奢待

16
四谷シモンこと、小林兼光。立派な本名だが、うまれ、育ちは悲惨を極めていたようだ。幼少の頃より人形作りに没頭し始めるも、家庭環境の乱れから不良生徒、問題児となり早々と社会に出る。しかし生活が成り立つわけもなく。そんな時、酒場で知り合った唐十郎。その周辺に集まる澁澤龍彦、寺山修司。さらに、嵐山光三郎、コシノジュンコ、久世光彦、篠山紀信など錚々たるメンバー。そんな中で、唐十郎の芝居出演を経て人魚作家として名を上げていく。いわゆる成功譚の伝記のようだが非常に興味深く面白い。2018/08/26

ネムル

12
「僕にとっていい人形とは、「このお人形さん、まるで生きているみたい」と言われるような人形ではなく、息が泊まって死んでいる人間に近い、凍てついた人体表現です。そして人形は動かずにずっと佇んでいるのがいいと思っています」。人形作家としてデビューする以前の、幼少期や状況劇場での女形時代に多く筆が割かれているのが新鮮、そしてやはり60年代アングラ文化が面白い。2014/08/04

しあん

8
今年2度目の再読。私が持っている本は表紙がこれとは違っています。人形作家四谷シモンの自叙伝的一冊。俳優として演じることと、人形を作ること。どちらも架空の存在を作り上げるということ。シモンのひたむきさに、読む度に心打たれます。2016/12/09

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