内容説明
時は19世紀、レディたちは新天地を求めて植民地世界を駆けめぐった。知られざる冒険物語から大英帝国最盛期の光と影を活写する。
目次
第1章 帝国に白人女性の居場所はなかったのか?第2章 奥方とレディ・トラベラー
第3章 メアリ・キングズリの西アフリカ―良質のぶあついロング・スカートのおかげで
第4章 フローラ・ショウの帝国、フローラ・ルガードの帝国
第5章 西アフリカを志願する看護婦たち―レディと専門職のはざまで
第6章 もうひとりのメアリ―レディ・ミッショナリーの帝国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
例えばイザベラ・バードに代表される、世界を旅した中産階級の女性レディ・トラベラーをとっかかりに、ヴィクトリア朝大英帝国の女性達の自己実現としての海外雄飛を見る。ある者は植民地西アフリカでイギリス文明の恩寵を原住民に伝え、又ある者はボーア戦争の戦場で敵味方の隔て無く負傷兵を看護した。帝国主義=博愛主義という時代の価値観を背負い、大英帝国の尖兵としての女性達の様々な諸相はなかなか興味深い。結婚難時代故に独身でどう生きていくかが大問題だったヴィクトリア朝の中産階級の女性の立場を知ると、色々と見えてくるものがある2016/04/20
灘子
1
帝国に居場所がなかった人とあった人と逃げ出した人と。白人女性の視点のみだけど、ある意味犠牲者。新天地で貧困を見つけること。旅。型破りなことをしていても必要とされてしまう女性性。フローラの知性。そこから外れたものへ。ジレンマ。2021/04/07
たかみりん
1
ヴィクトリア朝時代に活躍したレディ・トラベラーに焦点を当てた本。とはいえ後書きでも言ってる通り、詳細に触れられているのは筆者が興味を持ったというメアリ・キングズリとその周辺の人に限られるので、冒頭に広げた大風呂敷が畳まれていない感がある。とは言え、これまで焦点を当てられることが少なかった人々の活動の一端に触れられるという意味ではとても興味深い入門書。2011/12/08
陽香
0
講談社、19980620
冬至楼均
0
余った女性達の苦闘。2010/09/28