講談社現代新書<br> アンコール・ワット―大伽藍と文明の謎

講談社現代新書
アンコール・ワット―大伽藍と文明の謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 215p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061492950
  • NDC分類 702.23
  • Cコード C0225

内容説明

インドシナ半島の中央に次々と巨大な寺院を完成させたアンコール王朝。建造に費した年月は。回廊に描かれた物語とは。なぜ密林に埋もれたのか。遺跡研究の第一人者がカンボジア史を辿りながら東南アジア最大の謎に迫る。

目次

1 カンボジア社会の原風景
2 新しい都城をなぜ建設するか
3 浮き彫りが伝える十一世紀の人々の生活
4 アンコール・ワットは神の世界
5 戦争と侵略と混乱
6 すべての道はアンコールへ
7 中国人が見た十三世紀末のアンコール社会
8 アンコール朝の研究―王権・官僚・裁判
9 水利都市としてのアンコール朝
10 アンコール朝の衰退と再発見

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おとん707

10
著者は前に読んだ「アンコール・ワットへの道」と同じ上智大学の石澤良昭氏。前者が写真を使った遺跡のガイド本だったのに対して本書はアンコールワットを中心にしたカンボジア通史といった本。アンコールワットの時代は日本では平安末期から室町初期だがその後没落し忘れ去られる。やがて現地に入った外国人の手で発掘が進むが、植民地化、第二次大戦後の独立、暗黒のポル・ポト時代を経てシアヌーク国王の復権と激動の歴史を歩む。本書の刊行は1996年で当時まだ国内は不安定。そんな中でも著者は自国民主体の調査研究に導く必要性を指摘する。2024/01/12

Shinya Fukuda

1
カンボジアの歴史を辿りながらアンコールワットが建立された経緯が記述される。アンコールワットは権力を誇示する為に建立されたものではなかった。当時は政祭一致だったので国を治める為には宗教は重要であり、アンコールワットは神の世界を地上に現出させる目的があったのでその建立はある意味政治そのものだった。それを可能にしたのは経済だがそれを支えたのは水利だった。巨大な貯水池があるのはその為だ。異民族の侵入が少なく平和が続いた。チャンパの侵入を受けたが撃退した。衰退したのはタイ族の侵攻が激しくなったことが一因だ。2022/09/08

富士さん

1
再読。アンコール・ワットの構造の解説かと思いきや、9世紀から15世紀に至るアンコール朝の歴史を丹念に追いつつ、カンボジアの文化や民俗、ヒンズー教への理解、当然考古学までも含めた、この薄さの割にかなり充実した内容です。著者はカンボジア史研究の有名人でもあり、強力に自説を展開することもない穏当な感じで、カンボジア史の入門としても有用だと思いました。最悪の3年は頻繁に注目されても、それ以外の時代をテーマにしているものは類書も少ないですし、高い。ワゴンセールで100円だったのに、いい買い物でした。2016/11/04

きょんちん

0
謹呈☆

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