講談社現代新書<br> スウェーデンボルグの思想―科学から神秘世界へ

講談社現代新書
スウェーデンボルグの思想―科学から神秘世界へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061492356
  • NDC分類 147
  • Cコード C0214

内容説明

時代を先取りした宇宙論や大脳観の先見性。夢や幻視体験から得られた、独自の霊界論と、普編宗教への希求。一八世紀スウェーデンの天才の、科学と神秘をかけ渡す思想を概観。

目次

第1章 科学者としての出発
第2章 霊へのめざめ
第3章 その霊的世界
第4章 「創世紀」を読み直す
第5章 普遍宗教への道
第6章 晩年の日々

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hepatica nobilis

14
再読。スウェーデンボルグは特異な霊能者、オカルティストと大方見なされているはず。一方で信奉者は彼の半生は技術者、科学者として過ごした事実や、欧米の文学者、哲学者たちの数々が彼に寄せた賛辞に立脚してスウェーデンボルグを称える。この本は後者の部類。浩瀚な『天界と地獄』を実際に読めばオカルトなどとは言えまい。カントのアンビバレンツな対応もわかるというもの。厄介な存在なのだろう。2013/11/24

作楽

12
大変だっただろうなと、この本から容易に推測できる。化学から神秘世界を実証するのは、困難だろうし。立場も学識もある人だから、見て見ぬふりとかできたら尊敬されてたかもしれないのに、知ってしまったから、伝えなければと思った、ってことなのかもしれない。すごいな。2016/09/14

ももみず

6
ともすればオカルトの文脈で語られがちなスウェーデンボルグだけど(晩年になって急に「霊界に行ってきたよー!」みたいに言われたら、そりゃ怪しいけど)、この解説書を読むと、そんなレッテル貼りは誤りなんだと気付かされる。スウェーデンボルグは、あくまでも科学から出発している思想家であって、純粋に真理を探求しようとした結果が彼独自の神秘主義的体験に繋がっただけなのだ。決して世を煽動しようとか、教祖様として崇めてもらおうみたいな俗っぽい動機は無かったのだろう。変わってはいたけど、それ以上に真摯な人だったのだと偲ばれる。2014/10/15

うえ

3
「ニュートンは、デカルトの科学や哲学を丹念に学び「プリンキピア」を書いたのだがデカルトの宇宙生成論を、神に対する不遜な企てとして特別に嫌っていた。仮説をつくらないニュートンにとって現に重力が存在しその法則を数学的に定式化できればそれで十分であり…それがどのように伝達されるかなどは問題外であった」「地獄には、閻魔大王も鬼も悪魔もいない。スウェーデンボルグは地上に人間として生まれなかったどんな神話的存在も、霊界の存在として認めない。霊となった人間の自己愛と世俗愛という霊的に転倒した生命こそが、地獄を生み出す」2015/05/22

戦狐

1
スウェーデンボルグの存在は水木しげるの『神秘家列伝』で知っていましたが、この本でより詳細にどういう人物なのか知る事が出来ました。特に彼の宗教観はキリスト教でありながら、仏教やゾロアスター教などとも共通した思想があり非常に斬新に思えます。2017/08/07

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