内容説明
不幸なユダヤ人大量虐殺は、なぜ起こったのか?排除―依存の二面性のなかでゆれ動いたユダヤ人と、ドイツの錯綜した緊張関係を歴史的に検証し、過去の直視と克服がいかに可能かを模索する。
目次
1 前史―ユダヤ人とは
2 ユダヤ人の財と賤性
3 後進ドイツとユダヤ人
4 ワイマール共和国時代のユダヤ人
5 第三帝国時代のユダヤ人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
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2014.01.11(01/10)(つづき)大澤武男著。 01/10 ◎<ユダヤ人>とは誰か? <ユダヤ人>という言葉は、キリスト教文化圏では常に一種の宗教的差別用語として使われてきた。 劣等、軽蔑、罵りの表現であった。 虐殺が起こり、修正された。 が、その考えが一掃されたわけではなかった。 ◎宿命としてのディアスポラ。 旧約聖書にはイスラエル人ははじめから移動、移住の民としての性格が顕在している。 2014/01/11
i-miya
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2014.02.23(02/10)(つづき)大澤武男著。 (P010) ブライヴェの推定、ローマ帝政の初期に、ユダヤ人、800万人、うち、400万人がパレスティナ居住可能、他の400万人は、すでにローマ帝国の国境地帯に散在し、住む。 AD66-70、ユダヤ戦争。 宗教的民族共同体の拠り所としていたエルサレムの神殿がローマ軍により、完全に破壊され、故国を失ったユダヤ人がのディアスポラは決定的となった。 2014/02/23
i-miya
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2013.12.05(12/05)(つづき)大澤武男著。 12/03 (p010) 第1章、前史-ユダヤ人とは。 ◎ユダヤ人とはだれか? <ユダヤ人>ということばは、キリスト教文化国では、常に宗教的差別用語として用いられてきた。 また、少数派、無国籍、放浪者としての社会的差別概念を含む言葉として用いられてきた。 しかし、第二次世界大戦-大量虐殺で強い同情と、強い反省。 古今のユダヤ人観は、大幅に修正。 、とはいえ、一掃ではない。 2013/12/05
i-miya
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2013.10.20(つづき)大澤武男著。 2013.10.20 (p004) (プロローグ、つづき)常に分裂にあったドイツの立ち遅れは、放浪の民として生きてきたユダヤ人の能力や国際性、財力をたえず必要とする面があった。 (考察の対象、二、三) (1)ヘブライ語と並んで、ユダヤ人世界でもっとも話されるイーディッシュ語は、ユダヤ人ドイツ語というように中世のドイツ語を基に生まれた言語-ユダヤとドイツ文化の結びつき度合。 2013/10/20
i-miya
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2013.08.30(再読)大澤武男著。2013.08.29 (あとがき) ドイツ在住21年の年月。 ドイツの気候がずいぶん変わった。 そのころ、冬はマイナス20℃ぐらいになる日がたまにあったりした。 雪もいまよりずっと多く、マイン河、凍ったこともあった(1970頃か)。 ドイツ、気候の変わり様、地球全体の温暖化現象、私を不安にさせる。 環境問題-車一台、放棄する長男の通うギムナジウムのクラス担任、私はそこまでできない。 ドイツ統一後の旧ドイツの復興に見るドイツ人の行動力、目を見張るものがある。 2013/08/30