講談社現代新書<br> 立志・苦学・出世―受験生の社会史

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講談社現代新書
立志・苦学・出世―受験生の社会史

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061490383
  • NDC分類 376.8
  • Cコード C0237

内容説明

受験生はどこから来たのか。怠情・快楽を悪徳とし、刻苦勉励、蛍雪読書する禁欲的生活世界は勉強立身の物語に支えられる。「苦しい受験生」を生んだ近代日本の心性をさぐる。

目次

第1章 受験生の一日―明治40年7月9日
第2章 勉強立身から順路の時代
第3章 受験雑誌の誕生
第4章 「受験生」という物語
第5章 苦学と講義録の世界
第6章 受験のポスト・モダン現象

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

7
いかにもわたくしが好きそ~な本。「なんで禁欲せねばならないのか」って。そう、「なんで『禁欲せねばならない』と思い込んでるのか? いつから、そう思い込むのが『普通』みたくなったのか?」ってね。購入して読んだのよ。線をばりばり引きながら、ふむふむ、と。6年前。それで何も覚えてねえってどーゆーこっちゃ! ......と、いうことで、いずれ再読します。2014/08/29

にゃん吉

5
戦前の、社会的上昇のルートとしての受験の誕生と過熱、刻苦勉励を模範とする受験生像、苦学生ブーム、戦後(経済成長の達成以降)の、受験ないし受験生の変容について叙述されています。戦前の受験雑誌、独学する地方の苦学生向けの通信教育を行う講義録業者といった受験産業の隆盛、合格体験記等の受験雑誌への投稿に見られる受験生の生の声等から、受験ないし受験生の実像に迫ろうとする着眼が面白くありました。 2023/06/18

スズツキ

4
竹内洋の本は基本的になんでも面白いが、これは少し絞り込みすぎてる感もある。近代の日本の受験生の変わらなさは興味深い。2016/06/24

msykst

4
明治期から一貫して,雑誌や予備校みたいなメディアを通じてマッチポンプ的に受験生文化が再生産されてきた経緯を知れたのが収穫。特に,明治期の苦学言説も昭和40年代以降の「受験のポスト・モダン化」も,実は受験生をクールダウンさせたり,ある種の諦念を受け入れさせるために機能しているという示唆は面白かった。けど知りたくはなかったかも(笑)。2009/09/03

まつゆう

2
旧版を読んだから表紙が違う…。それはさておき、受験生の心性やハビトゥスを中心に(この本で紹介されていた雑誌の名前を借りれば)「受験界」の特徴を捉えようという本。格差論などの関わりで学歴や受験の話が出てくることはままあるが、受験生の苦悩を社会的文脈から、ストレートに分析した本は余り見たことがなく、その点で有意義。ただ若干古いので、終章で、今の事情とずれてない?という感覚も受けたのは、単に自分一人の個人的感想に収まる話では無い気もするけど、最新版のこういった本はないものかな。(新版だと補足されてるのかな?)2012/11/03

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