出版社内容情報
【内容紹介】
生きる喜びを与えてくれる人間の歌
「死とはモーツァルトを聴けなくなることだ」――アインシュタイン。
例えば「フルート四重奏曲」K298に病床の日を、「レクイエム」K626に、喪った肉親を思い出す人もいるだろう。モーツァルトを聴くことは、自分の人生を確認することなのだ。本書は孤独な旅に悩みながら、道化や笑いを忘れず、女性を愛し、生活の苦しさにあえぎながらも神のごとくにペンを走らせた、人間味あふれる実像や、「軽さが沈み、重さが浮かぶ」といわれる、明るいけれど痛切な哀しみを秘めた作品群をとおし、長年のモーツァルト体験を感動的に語った力作である。巻末に著者が選ぶ「名盤150選」リストも付載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
twinsun
9
スタンダールは、霊感というものは待っていて閃くものではなく、コンスタントに書いていくことによって自ら招くものだ、という意味のことを述べているが、モーツァルトの霊感もまさに絶えず努力した結果であることは否定できない。「ぼくだって、大いに努力しました。そのおかげで今はもう努力せずにすむようになりました。」初演当日朝楽団員が来るまでの2時間で「ドン・ジョバンニ」の序曲を書き上げたほどの男の言葉。ピアノ協奏曲の全貌を俯瞰的に概観する解説があり、読後バレンボイムの録音をぶっ通しで楽しく聞くことができた。2022/05/28
ろくしたん
2
旅を肯定した芸術家。ハイドンとの対比。コンスタンツェなど。教皇と対立したこともあるらしいが、父は、もともとアカデミックな教育を行っていた。オペラやモーツアルト作品の勉強にもなった。ラテン語は必須だったのかな。200人以上の女性に冗談を言ったらしい。2021/04/16
えひめみかん
0
モーツァルトの半生と共に楽曲紹介をしてくれるものと期待していたのだが。。。2015/09/12
びーちゃん
0
モーツァルトの生涯とか,モーツァルトに対する思いとかをまとまりなく記述してるもので,読みづらい。評価22011/03/19