出版社内容情報
【内容紹介】
戦後の推理小説ベスト3に数えられ、闇の世界にひときわ孤高な光芒を放ち屹立する巨篇ついにその姿を現す!井戸の底に潜む3人の兄弟。薔薇と不動と犯罪の神秘な妖かしに彩られた4つの密室殺人は、魂を震撼させる終章の悲劇の完成とともに。漆黒の翼に読者を乗せ、めくるめく反世界へと飛翔する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
76
図書館本 三大奇書のひとつ。正直言って、序盤はとっつきにくいと感じました。ポンコツ探偵やケムマキ探偵に翻弄され、かなり迷走させられました。そして終いにはーー。うーん、どう褒めて良いのか、陳腐な言葉しか出てこないなぁ。ともかくこれは買うべき本でした。手元において読み返したい。2020/03/21
Tetchy
33
こんな時期に読むんじゃなかった。もっと静かなところでじっくり読みたかった。2008/10/22
シタン
30
かつて戦争に立ち向かった倒錯者が愛すべき推理小説に立ち向かって生み出したものは“反推理小説”なる文学であった。幻妖な光を放つ巨編は、次代を担う作家および編集者の心を射止め、その人生を狂わせてしまった。その黒い水脈はいまだに受け継がれていて、文学が持つ恐るべき可能性を宇宙のごとく膨張させ続けている。馥郁たる文体で様々な推理小説・評論・規則に言及しながら探偵趣味の限りを尽くした後に辿り着く倒錯した結末は、推理小説読者の心を打ち砕く。未読の方はぜひ、「死」を運ぶ黒い翼に乗って、めくるめく反世界へと翔び立とう。2019/01/03
山ちょ13
29
「虚無への供物/中井英夫」読了。ついに手を出した三(四?)大奇書。アンチミステリか。確かに暗合多いし、探偵が推理を外すし、都合よく架空の人物現れすぎだし、犯行動機だって理解に苦しむし、ミステリと見せてミステリの体を為していないのかもしれない。確かに推理合戦とか、実はこんなものと関連があった、っていうのは面白かったけど。ゴーレムは無しだろ(笑)難しかったけど、面白かった。2016/10/14
山田太郎
26
大学生の時確か読んでると思うけど、えらくすごいと思ったような気がするけど、20年経って読んでみると長くて読むのに疲れた。ほとんど忘れてますが、最後のオチは覚えてたけど、なんか印象違うなと。これだけ長いの書くのもいろいろ講釈垂れまくってるけど、たいへんだよなと思った。三大奇書読んでるのこれだけなので、残りも読んでみようかと多少思わないではないなと。2022/04/05