出版社内容情報
【内容紹介】
イギリス人は、なによりもわが家をたいせつにする。彼ら一人一人が国王であり、女王であるこの城こそ、一羽の小鳥や移りゆく自然への愛を育み、ありふれたものの新しさを教えてくれる、人生の豊かな泉である。物質的繁栄とひきかえに、精神の荒廃を招いたわれわれ日本人が、彼らのコモン・センスから学ぶものは大きい。時流にまどわされず、ひたすら己れの道を歩むイギリス庶民のものの見方・考え方を、ユーモアとペーソスを混じえて語る、軽妙洒脱な英・日比較民族論。
父の手紙――こんにちの世界は、こんにちを代表する詩人T・S・エリオットがいみじくも名づけたように「荒地」の世界である。しかし、それだからこそわれわれは、時代の流れにさからって、残されたわずかばかりの、ますますもって貴重な土地をたいせつにすべきではないだろうか。その意味からして、私がいちばん尊敬する人物は私の父である。父が手紙でいっている気に入りのテーマを紹介しよう。「それが、一しずくの露のなかに宇宙を見いだし、手近なありふれたものの新しさを見なおす術なのだ。それができれば、不思議を求めて長いご苦労な旅をすることなどない。私は、アリといっしょに庭を横断するのでもけっこう楽しい。二羽のクロドリとかくれんぼをするのもいい。あの連中、じつにうまいものだよ……。」――本文より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シンドバッド
3
最近全く廃れたと言っても過言では無い表題。20世紀の遺物とまでは言わないが、通じたのは、1980年代まで。では、何故読み終えたかといえば、変わらないもの探しの視点からです。小生の答えは宗教観と、答えたい所でしたが、イギリス人と日本人の比較では、無い。まことに、感想になっていない。2013/05/28
眉毛ごもら
2
再読。初版が1972年古い本。戦後まもなくイギリスから来日した教授の見たイギリス人の特性と日本人とイギリス人の比較論。安保闘争華やかなりし()頃を日本で過ごすも日本人は礼儀正しいとか、イギリスの農村文化が資本主義に飲まれゆりかごから墓場までが弊害をもたらした時代について書いている。その過去と栄光を知る人だから変化に悲しむところがあるなと思いつつ無情に時代は変わっていく。日本人も鎌倉武士などを見るとお上品になったのは最近、イギリス人もアレこれアレだったよね。と綺麗なところを見るのは神父さんだからだろうか。2022/05/10
Naomi
1
1925年生まれの作者が書いた本。 約100年前に生まれた人。 今でもこの内容でイギリス人を理解していいのだろうか。2019/02/27
おにぎり
1
古すぎてあんまりピンとこない2015/07/26